エアコンはつけっぱなしの方が電気代節約になる?

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近年、日本全国に異常気象が起きているのは皆様もご存知かと思います。

夏の40℃を越える暑さ・突然の集中豪雨や急激な寒気団・インフルエンザ等のウイルスの危険・花粉の異常発生など昔のように窓をあけて換気する、といったことが難しい状況になっています。

そのなかで、病気や体調不良などにならないための温度管理・快適な生活を送るためにはエアコンは必要不可欠な家電になっています。

日々の生活に便利なエアコンですが、やはり気になるのは「電気代」です。

家電の消費電力で一番電気代を喰うのが「エアコン」です。

そこで、今回はエアコンを効率機に運転するにはどうすればいいのか?

「つけっぱなしがいいの?」

「こまめに消した方がいいの?」

と言った疑問を季節ごとに見ていきましょう。

目次

※春夏秋冬の順番で見ていきましょう。

春のエアコンは自動運転でつけっぱなしの方が安い?

春は気温が暖かくなり暖房を使う機会は減っていくと思います。

こまめに入切せずに春先の寒い夜から朝まで使用することや、「4月上旬ぐらいまでつけっぱなしで自動運転で使用する」という使い方をすれば無駄なく使用できます。

6月まではエアコンをまったく使用しない時期になりますが、6月は梅雨の時期に入るので洗濯物はジメジメして「外に干せない」「窓を開けて換気ができない」といった季節になります。

この時期はエアコンの「除湿」機能が便利です。

ただ、注意が必要なエアコンがあります。

エアコンの除湿機能が2種類あるモデルもあります。

1つは寒くなりすぎないように弱冷房で除湿する「弱冷房除湿機能」

この機能は室温も下げて除湿も行う時に使う機能です。

ですので比較的寒い、秋・冬には向いていないですが、電気代が安い傾向にあります。

もう一つは冷たい風にならないように一度温めなおして乾いた風を送風し除湿する「再熱除湿機能」

こちらは室温の温度を変えずに除湿してくれるので寒い時期の秋・冬に向いている機能です。

冷たい風を一度温める必要があるので弱冷房機能に比べると電気代が高くなります。

ちなみに消費電力は6畳用エアコンで、

”弱冷房除湿”:180W(105W~285W /3.045円~8.265円1時間あたり)

”再熱除湿” :410W(114W~1285W/3.306円~37.265円1時間あたり)

となります。

洗濯物を干すためだけの部屋を1部屋、確保できるなら「弱冷房除湿機能」

干す部屋がなくて部屋の温度を下げたくないという人は「再熱除湿機能」

というような使い分けができます。

夏の冷房はエアコンつけっぱなしの方が安い?

夏は地球温暖化の影響によって30℃以上といわれる真夏日以上の猛暑日が続き40℃を超える日も多くなりました。

それによって「窓を開ける」「扇風機をつける」だけでは体調管理ができず、エアコンの冷房が必要になってきました。

それによって「夏は電気代が高い!」と感じれいる方も多いでしょう。

夏の方が電気代が高いと感じている方も多いですが、消費電力で言えば冬の暖房とあまり変わりません。

上記の6畳用エアコンを例にとりますと、冷房にかかる消費電力はだいたい540W。

インバーター機能により125W~820Wまで変化し最大消費電力は暖房より実は少なめです。

インバーターとは?

インバーターとは直流を交流に変換するための電源回路・装置のことです。

一般的な家電は直流ですが、それだけだと不便なこともあるのでそれを交流に変換する装置です。

インバーターで周波数と電圧をコントロールすることができます。

エアコンの設定温度まで1時間かかるとして0.82kw×29円=23.78円かかりますが、設定温度になると

エアコンは自動運転により省エネ運転に切り替わりますので1時間あたり0.125w×29円=3.625円しかかからなくなります。

冬と同様に「こまめに入切」をするとそのたびに大きい温度変更をしなければならず、この23.78円がその都度かかります。

これは自動運転で約7時間つけっぱなしにしたのと同じ電気代になります。

エアコンは外気と室温の温度差が激しい時に電気代を多く喰います。

なので、設定温度までエアコンを稼働させて電源を切ると、また外気と室温の差が広がることになります。

これを1か月で比較すると、”つけっぱなし”:設定温度まで23.78円+(自動運転3.625円×24時間×30日)=2633.78円

”こまめに入切”:(設定温度まで23.78円+1時間使用3.625円)×朝晩2回×30日=1644.3円

朝昼晩3回:(設定温度まで23.78円+1時間使用3.625円)×朝晩3回×30日=2466.45円

※その日の気温・設定温度などの条件により多少変化いたします

上記のとおりエアコンの冷房は暖房に比べるとこまめに入切の無駄は少ないのでそれほど違いはありません。

その理由に冬の方が室温と外気温の差が激しいことが要因です。

しかし、寝苦しい夜や猛暑日など、暑さを我慢できない場合を考えますと”つけっぱなし”の方が”涼しく”快適になるでしょう。

秋のエアコンは自動運転でエアコンつけっぱなしの方が安い?

秋は日によって気温が変わりやすく、大きく3つに分かれます。

・初秋の気候はまだ日中に夏の暑さが残り、少し涼しくしたくなります。

・10月ごろは過ごしやすい日が続きますので、エアコンを使用しなくても生活できるでしょう。

・晩秋は冬に近づくので寒くなりますので暖かくしたくなります。

このように気温がころころ変わり、温度調整・体調管理が難しい季節です。

初秋は”弱冷房除湿”を使って残暑を乗り切るといいでしょう。

ただ、”つけっぱなし”ではそれでも冷え過ぎてしまいますし夏ほど暑いわけではありませんので、暑く感じた時に3時間~5時間程度使用で大丈夫かと思います。

”弱冷房除湿”なら設定温度までの電気代と自動運転の電気代の差が3時間程度ですので昼晩2回使用でも問題ありません。

10月ごろは暑くもなく寒くもない快適な時期ですのでエアコンを使用しないほうがお得ではないでしょうか。

必要でないときに使用するのは無駄になるかと思います。

晩秋はそろそろ夜が肌寒くなってきていますので夕方から朝まで暖房をかける、温度を弱くして暖房をつけっぱなしにするなど工夫して暖かくしていただくといいでしょう。

冬の暖房はエアコンつけっぱなしの方が安い?

まずエアコンの機能で知っておいて欲しいことは”インバーター”と”自動運転”です。

”インバーター”とは自宅でおもに使われている交流を直流に変換して自在に電圧と周波数を変更できる機能です。

これによりエアコンは自在にきめ細かな温度変更をすることができます。

しかも大きい温度変更のときには電気をそれなりに使いますが、少しの温度変更の場合は電気を少ししか使わないので電気を無駄なく使う便利な機能になります。

”自動運転”とはエアコンおまかせでそのインバーターを上手に使って無駄なく快適に温度調整をしてくれるこれも便利な機能になります。

これによりこまめに温度を変更しなくてよくなります。

この2つの機能を上手に使えば、エアコンは”つけっぱなしで安い”になるのです。

では、例として一般的な6畳用のエアコン(2.2kwの能力・期間消費電力700kwh・電気代は1kwhあたり29円)で見てみましょう。

このタイプの暖房にかかる消費電力はだいたい450Wですが、インバーター機能により135W~1410Wまで変化します。

まずスイッチを入れて設定温度までは室内が寒いこともありエアコンはフルに稼働して電気も大量に消費します。

設定温度まで1時間かかるとして1.41kw×29円=40.89円かかりますが、設定温度になると自動運転により省エネ運転に切り替わりますので1時間あたり0.125w×29円=3.625円しかかからなくなります。

”こまめに入切”をするとそのたびにエアコンは大きい温度変更をしなければならず、この40.89円がその都度かかります。

これは自動運転で約11時間つけっぱなしにしたのと同じ電気代になります。

1か月で比較すると、”つけっぱなし”:設定温度まで40.89円+(自動運転3.625円×24時間×30日)=2650.89円

”こまめに入切”:(設定温度まで40.89円+1時間使用3.625円)×朝晩2回×30日=2670.9円

朝昼晩3回:(設定温度まで40.89円+1時間使用3.625円)×朝晩3回×30日=4006.35円

※その日の気温・設定温度などの条件により多少変化いたします

ちなみに灯油の価格が18Lポリタンク1缶で1800円で1か月2缶使用で3600円かかります。

上記のとおりエアコンの暖房はこまめに入り切りすると無駄が多くなってしまいます。

ですので冬のエアコンは”こまめに入切”より”つけっぱなし”の方が”あったかく”て電気代が安くなります。

エアコンのつけっぱなしのメリットとデメリット

私たちの日本という国は世界的にみれば小さい国ですが、季節によって非常に温度変化が激しい国であり、その変化と上手に付き合っていくことが快適な生活を送る一番の方法になります。

そのためのツールのひとつが”エアコン”ではないでしょうか?

では”つけっぱなし”をすること自体のメリットとデメリットを考えてみましょう。

エアコンのつけっぱなしメリット

では”つけっぱなし”のメリットとは何でしょうか?

やはり一番は”一日中ずっと家の中が快適”ということでしょう。

エアコンという機械はエアー・コンディショナーつまり空気調整装置です。

自動運転でずっとつけっぱなしにしていることで、寒い冬は暖かく・暑い夏は涼しく・じめじめした梅雨は快適に・残暑のこる秋も快適に過ごすことができます。

ずっとつけっぱなしにしていることが一番エアコンの能力を最大に生かしているといえるでしょう。

エアコンのつけっぱなしのデメリット

逆に”つけっぱなし”にしているエアコンのデメリットとはなんでしょうか?

やはり一番は”一日中ずっと家の中が快適”なエアコンですが、家にいなくてもずっと稼働しているため、その間も”ずっと電気代がかかっている”ことです。

これは、一人暮らし・単身赴任・共働きなどで家にいることが少ない、といった人が対象になります。

エアコンは電気を使って動いているのでこれは当然ですが、夏なら約7時間、冬なら約11時間、時間が空いていれば問題はありません。

あとはエアコンを使用することで”室内が乾燥する”ということです。

この場合は送風量を調整する、室内で洗濯物を干す、除湿器をかける、就寝の際はマスクをする、などの工夫が必要になります。

エアコンの冷房つけっぱなしと暖房つけっぱなし電気代はどっちが高い?

みなさんよく「夏に冷房かけ過ぎて電気代が高くなった」といわれたり、聞いたりされていると思います。

では実際に夏と冬、冷房と暖房ではどちらが電気代が高いのでしょう。

いままでの例から

”冷房”:設定温度まで40.89円+(自動運転3.625円×24時間×30日)=2650.89円

”暖房”:設定温度まで23.78円+(自動運転3.625円×24時間×30日)=2633.78円

と暖房の方がちょっと電気代が高くなっています。

それと、実際には

暖房:5℃→22℃(温度差17℃上げないといけない)

冷房:35℃→26℃(温度差9℃下げるないといけない)

というように設定温度と室内温度の温度差が大きいほどエアコンがフル稼働する時間が多くなって電気代がかかりやすくなります。

ですので実際は冬に使う暖房の方がもっと電気代がかかことになります。

つけっぱなしにするなら自動運転が一番お得?

そもそもエアコンの”自動運転”とはどういった機能なのでしょうか?

エアコンの”自動運転”機能とは、季節・室外・室内・床・人・天井などの温度・位置を各センサーによって感知して、冷房・暖房・除湿・送風などから自動で選び、それぞれ快適な温度を調整しながら運転してくれる機能です。

最近ではAI機能がついて部屋の大きさ・人の人数・人の位置・それぞれの体温まで判断してくれるエアコンもあります。

もちろん快適な温度にするだけでなく無駄なく効率よく温度調整してくれる機能でもありますので”自動運転”機能で”エアコンのことはエアコン”にまかせて使用するほうが”快適”で”お得”になります。

サーキュレーターや扇風機と組み合わせてつけっぱなし運転の方がお得?

最近の省エネブームでよくいわれるのが”サーキュレーター”や”扇風機”を併用することで節約になる、というもの。

実際にメリットはあるのでしょうか?

サーキュレーターや扇風機の消費電力は

省エネのDCモータータイプ:1.5W~20W/0.0435円~0.58円1時間あたり

通常のACモータータイプ :10W~35W/0.29円~1.015円1時間あたり

ですので1ヵ月”つけっぱなし”にしたとしても

省エネのDCモータータイプ:31.32円~417.6円

通常のACモータータイプ :208.8円~730.8円

この分が追加になるので電気代があがるのでは?と思われるのではないでしょうか。

”サーキュレーター”や”扇風機”を併用してエアコンの風を部屋にまんべんなく循環させることによって温度差がなくなりすばやく設定温度になりエアコンの自動運転に移行することができ、無駄がなくなって結果エアコンの電気代は節約になります。

そればかりでなくサーキュレーター・扇風機と併用することで部屋を循環する風量が増して、体感的には実際の温度より夏は”涼しく”・冬は”暖かく”感じることができます。

これによって設定温度を夏は”上げる”・冬は”下げる”ことができるので外気との温度差が縮まり、結果として1℃の温度差で約10%の節約効果があります。

エアコンつけっぱなしの環境でのデスクワーク、夜の睡眠時などエアコン”効きすぎ”でお困りの方も多いかと思います。

”サーキュレーター”や”扇風機”を併用すれば体感で1℃~2℃は設定温度を緩めることができるので”効きすぎ”を解消することができ、さらに10%~20%の節約効果が生まれるため、まさにエアコン”つけっぱなし”をさらに効果的に使用する方法といえるでしょう。

結論エアコンはつけっぱなしにするべきなのか?

結論として、エアコンを使う際には”こまめに入切”するより”つけっぱなし”にするほうがお得になります。

しかし春、秋はエアコンを必要としない日があったり、家にほとんどいないのにエアコンを無理やりつける必要はないかと思います。

よって、エアコンは季節・状況によって使い分けるべきではないでしょうか?

季節別には

冬:エアコンの暖房をつけっぱなし

春:初春は弱暖房つけっぱなし

5月ごろは使わない

梅雨時期は弱冷除湿を1日3時間から5時間つける

夏:エアコンの冷房をつけっぱなし

秋:初秋は弱冷除湿を1日3時間から5時間つける

10月ごろは使わない

晩秋は弱暖房を夜から朝にかけてつける

このように使い分けると電気代も抑えて快適な生活ができると思います。

せっかく取り付けているエアコンを節電のために我慢してまったく使わないのはすごくもったいないことです。

エアコンを上手に使って快適な生活を楽しみましょう。

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