「とうもろこしは、家庭菜園でも作ることができる?」「とうもろこしの栽培で注意することはどんなこと?」こんな風に悩んでいませんか?
家庭菜園を楽しんでいると、いろんな種類の野菜を栽培したくなりますね。
でも育てやすい野菜でないと失敗してしまうこともありガッカリしてしまうこともあります。
そんな中でもとうもろこしは、種から植えても発芽しやすく育ちやすい野菜です。
きちんとコツを知って栽培すれば初心者でも作れて難易度が低いのが特徴です。
とうもろこしは、収穫したてが一番あまくておいしくその後は鮮度や味がどんどん落ちていきます。
採れたての新鮮な味は家庭菜園でしか味わえないためぜひチャレンジしてもらいたい野菜のひとつです。
今回は、とうもろこしの家庭菜園での育て方と、収穫時期や害虫対策についても詳しく解説します。
とうもろこしの種や苗はいつ頃入手できる?
とうもろこしは、種からでも苗からでも育てることが可能です。
種はホームセンターやインターネット通販であれば時期を選ばず購入できます。
苗については、植えつけ時期の4月下旬~5月中旬にホームセンターなどで販売されます。
お住いの地域によっても変わりますので、一度ホームセンターに問い合わせてみるのもいいですね。
ホームセンターに行くのが面倒な方はネット通販で購入してみましょう。
とうもろこしの栽培に向いている季節
とうもろこしの栽培時期は種から直播きで育てるなら5月~7月に種をまきます。
とうもろこしは、種をまいてから約3か月で収穫できる野菜です。
例えば、種まきの時期を少しずつずらしていくことで長く収穫が楽しめるので計画的に種まきするとよいですね。
とうもろこしの作り方(栽培方法)
それでは、とうもろこしの作り方を11ステップでひとつずつ解説していきますね。
①資材をそろえる
まずは、とうもろこしの栽培に必要な資材を準備しましょう。
準備物
とうもろこしは、種から育ててもうまくいく野菜です。
プランター栽培の場合は60㎝幅くらいで深さのあるものを選びましょう。
とうもろこしの根は土の下深くまで伸びるため深さのある容器が必要です。
土や材料は結構、重くかさばるので小物は100円ショップで購入し、重いものはネット通販で購入しています。
②種から育てる
1穴に3粒ずつとがっている方を下向きにして植えます。
株どうしの間隔は30センチくらい空けて2~3列になるように植えていきしょう。
種から育てるとき注意しなくてはいけないのが鳥に食べられてしまう被害です。
そのため不織布などを上に被せておき鳥に食べられないように注意しましょう。
③間引きする
発芽したら元気のよいものを1本残して他は間引きします。
草丈が15㎝ほどまで成長したら元気な苗だけを残しましょう。
④支柱をたてる
とうもろこしは、支えがなくても育つ野菜です。
しかし、台風などの強風にはとても弱く、すぐに倒れてしまうため支柱を立ててしっかりと支えを作っておきます。
このとき、麻ひもなどで支柱と茎を8の字のようにして結んでおきましょう。
⑤追肥する
とうもろこしは、肥料をたくさん必要すると野菜です。
ですから、2回は追肥するようにします。
追肥のタイミング
1回目は本葉が6枚~8枚くらいになったとき
2回目は雄穂がでてきたとき
これを目安に追肥と土寄せをしましょう。
特にプランターの場合は、肥料が多く必要となりますので肥料切れに注意してしっかり管理します。
ちなみに、地面の近くの葉が枯れていたら肥料切れのサインですから追肥するようにしましょう。
⑥わき芽は取らない
とうもろこしのわき芽のことを「分げつ」といいますが、これは取らずに育てましょう。
そうすることで、実の太ったとうもろこしを作ることができます。
そしてわき芽からひげが出始めたら「ヤングコーン」として早めにもぎ取り食べましょう。
⑦水やりを切らさない
雄穂が開花したら、気をつけることは「水切れ」です。
この時期に水切れを起こしてしまうと実が太らなかったり、先端の方まで実が成らなくなってしまいます。
⑧害虫対策について
とうもろこしにつく害虫は「アワノメイガの幼虫」や「カメムシ」などが実の汁を吸ってしまう被害があります。
害虫がいるかを見分ける方法は
- 葉にふんがついていないか
- 葉のどこかに穴が開いていないか
などで苗全体を点検して害虫対策をしましょう。
害虫対策には
- 地道に見つけて捕殺する
- 殺虫剤を使う
- 雄穂がでたあとに幼虫が侵入してしまったら雄穂ごと切り取る
地道にみつけることは、かなり大変ですから殺虫剤を使うことも考えましょう。
⑨受粉させる
とうもろこしは通常、たくさんの量を栽培して花粉が風に飛ばされ受粉するの自然の流れです。
しかし、プランターなどでの家庭菜園では1、2本では受粉できるかわかりません。
そこで人工的に受粉させましょう。
害虫対策で切り取った雄穂をそのまま利用する方法です。
雄穂を切り取って雌穂のひげに花粉をこすりつける
それでも、1.2本の栽培では実が確実になるかどうかはわかりません。
確実に実をつけさせる方法は、できるだけたくさんの苗を育てること。
できれば10株以上あれば安心です。
たくさんあればそれだけ受粉の確率も上がるからです。
⑩鳥獣被害対策をする
とうもろこしは、もぎたてならそのまま食べられるほどおいしいものです。
人間がおいしいと感じるとうもろこしは、鳥や野生動物にとってもごちそうなんです。
そこで害虫対策と同時に鳥獣対策も必要となります。
鳥獣対策は、防鳥ネットをしっかりと使用して収穫までとうもろこしを守りましょう。
⑪収穫する
受粉して、3週間ほどで収穫時期を迎えます。
収穫の目安は
実のひげが茶色く枯れたらOK
とはいえ、とうもろこしの適切な収穫期の見極めはむずかしいです。
そこで、たくさん収穫している場合は試しに1本収穫してみましょう。
家庭菜園とうもろこしQ&A
家庭菜園でとうもろこしをつくるときに出てくる疑問をQ&A形式で回答していきます。
Q1.とうもろこし栽培の肥料は何でもいいの?
A:即効性のある化成肥料を一株あたりひと握り程度を株元にばらまき土寄せします。
とうもろこしは肥料食いといわれトマトなどと比べても3倍以上の肥料が必要な野菜です。
プランター栽培の場合は、プランターの淵に沿って肥料をまき、その後混ぜ込むようになじませましょう。
Q2.水はどのくらいの頻度?やり方とは?
A:乾燥に弱いので土の表面が乾いたら水やりをしましょう。
ポイントは何度も水やりをするのではなく一度にたくさんの量の水をやることです。
とくに雄穂が開花後は水切れしないように注意しましょう。
このときに水分不足になると実がならなかったり実の形がまばらになります。
日当たりはどうすればいい?
A:とうもろこしは、高温で日光を好む野菜です。しっかりと日光が当たる場所で風通しよく栽培しましょう。
とうもろこしは、夏野菜の定番です。
そのために高い気温で日当たりの良い場所で栽培することが成功のコツです。
とうもろこしの支柱の立て方とは
A:一株ごとに支柱をたてましょう。
とうもろこしは、必ずしも支柱が必要な野菜ではありません。
しかし、風にはとても弱くすぐ倒れてしまいます。
そのため、一株ごとに支柱を立ておきましょう。
そうすることで、防鳥ネットも張りやすくなります。
とうもろこしの受粉について?
A:とうもろこしの受粉は、風で花粉を飛ばして受粉します。しかし、栽培している株が少ない場合は人口受粉させましょう。
人工授粉の方法は、雄穂を切り取り、雌穂のひげに軽くこすりつける方法です。
それでも確実に成功するは限らないため、できるだけたくさんの株を植えることが成功のコツとなります。
とうもろこしの食べごろはいつ頃?
A:早朝の涼しいうちに収穫し、すぐに火を通して冷所保存しましょう。
とうもろこしは、収穫してからすぐに鮮度が落ちてしまう野菜です。
ですから、収穫したてが一番の食べごろです。
その後は鮮度が落ちていくばかりなので、早急に火を通してから保存しましょう。
とうもろこしの収穫のやり方はどうやるの?
A:下に倒してねじって折り取りましょう。
収穫は手で押してみて中身のふくらみを確認してから行います。
収穫の時間は
早朝がベスト
とうもろこしは、冷えた夜に一番甘くなるため収穫は早朝がよいでしょう。
収穫してから時間が経つほど甘みもなくなってしまいます。
とうもろこしの消毒はどうやるの?それとも消毒は必要ない?
A:害虫や鳥獣対策が必要な野菜なので殺虫剤などを使用しましょう。
害虫対策は、1匹ずつみつけて捕殺する方法もあります。
しかし、実の奥に入り込んでしまう幼虫もいるため殺虫剤を使うとよいでしょう。
タイミングは
- 雄穂が出始めたとき
- 雄穂が出始めてから7日間隔で2~3回
殺虫剤は、商品のラベルを裏をよく見て「とうもろこしに適しているもの」や「効果が期待できる害虫」を確認して準備するようにしましょう。
とうもろこし栽培で発生しやすい害虫とは?
A:とうもろこし栽培で発生しやすい害虫は
- アワノメイガ・オオバコガなどの幼虫
- カメムシ
- ムギクビレアブラムシ
- イネヨトウ
- イモムシ
- ネキリムシ
などです。
幼虫は雄穂が出始めたころから奥まで入り込んでしまい実を食べつくしてしまいます。
どのくらいの量を収穫できる?
A:とうもろこしは、1株に1~2本までの収穫が目安です。
とうもろこしは、質のよい実を作りたければ1株につき1つ、多くても2つまでの実を成らせましょう。
ですから大量に収穫したい場合は10株くらい植えることで受粉も成功しやすくなるし、実の収穫も多くなりますよ。
どのくらいのスペースが必要?
A:株間30センチ間隔で2列から3列で植えられるほどのスペースが必要です。
とうもろこしは、風を利用して受粉するためできるだけたくさん植えることが成功のコツです。
理想は10株以上、植えられるくらいのスペースがあるとよいでしょう。
収穫したとうもろこしで食費を節約できるレシピ
収穫したとうもろこしは、そのままゆでて食べれば、おやつ代わりになりますね。
それ以外にも食費を節約できるようなレシピを提案したいと思います。
とうもろこしの炊き込みご飯
炊き込みご飯のときは、おかずが少なくて済みますね。
材料
- お米 2合
- とうもろこし 1本
- コンソメ 小さじ1
- 醤油 大さじ1
- 酒 大さじ2
- 塩 小さじ1/2
- バター 20g
作り方
- お米を研ぐ
- とうもろこしを実と芯に分ける
- お釜にお米と水2合分とバター以外の調味料を入れる
- とうもろこしを芯ごと入れて炊飯
- 炊きあがったらとうもろこしの芯を取り除きバターをまぜて完成
かんたんなのにとてもおいしいです。
とうもろこしの芯も一緒に炊くのは出汁を出したり香りを強くするためです。
乳製品なしのコーンスープ
シンプルにとうもろこしだけを使ったコーンスープです。
材料
- とうもろこし 3本
- 水 500ml
- 塩 小さじ1/2
- 砂糖 小さじ1~2
作り方
- とうもろこしの実を包丁でそぎ落とす
- 鍋にとうもろこしの実と芯を入れる
- 水・塩・砂糖を入れて2分くらい煮る
- 粗熱が取れたらミキサーにしっかりかける
- ザルでこして完成
とうもろこし本来の甘みをしっかり楽しめます。
ぜひ作ってみてください。
家庭菜園のとうもろこしは初心者にオススメできる?
家庭菜園のとうもろこしは、初心者でも作れる難易度が低い野菜です。
ただし
注意ポイント
- 広い栽培スペース
- 肥料と水やり
- 害虫対策
- 鳥獣対策
などに気をつけなくてはいけないのでほったらかしでは作れません。
鳥や害虫の駆除や受粉、水やりなど忙しく収穫の見極めも難しいものです。
それでも種から植えても発芽するため実を成らせるための工夫ができれば初心者でも作れる野菜ですからぜひチャレンジしてみましょう。
まとめ
ここまでとうもろこしの育て方についてご紹介してきました。
ポイントをまとめます。
- 種から直播きしても育てやすい
- 水やりは一度にたっぷりとし水切れに注意する
- 肥料は2回
- 植えた株の本数が少ない場合は人口受粉させる
- なるべく広いスペースで10本くらいの栽培が成功するポイント
- 害虫対策・鳥獣対策は万全に
とうもろこしは、種から植えても発芽しやすい野菜です。
採りたてのとうもろこしは格別な甘さで家庭菜園だからこそ味わえるものです。
とうもろこしはスーパーで購入すれば1本130円くらいします。
家庭菜園で種からたくさんの株で栽培すれば、おやつやおかずにもなり食費の節約に繋がります。
子どもも大好きなとうもろこしをぜひ家庭菜園で作ってみてはいかがですか?