食費の節約を考える時、「安い食材を買う」「買い物に行く回数を減らす」などといったことが、真っ先に思い浮かびますよね。
ですが、そもそも「お店で買わない!」という選択肢もあります。
そしてそこで具体的な方法として出てくるのが、「自分で野菜を育てて、収穫して食べる」ということ。
私もベランダ鉢植えで数種類の野菜を育てて食べていますが、夏期は1ヶ月で数千円~1万円くらいのの節約にはなっていると思います。
ここでは、プランターや鉢でも育てやすい「ミニトマト」の育て方や節約調理法などをご紹介していきたいと思います。
野菜を育てるという明るい気持ちと、それを食べる喜びがポジティブな節約生活を呼び込んでくれます^^
トマトの種や苗はいつ頃入手できる?
まずは、トマトの種や苗は、いつ頃手に入れることが出来るのかみていきましょう。
種や苗はいつ頃から買える?
ミニトマトの種や苗が販売される時期は、3月から5月末頃までです。
ミニトマトを栽培する初期段階は、「種をまく」と「苗を植える」という2つの方法がありますが、どちらも同じ時期に店頭に陳列されるようになりますね。
そしてここで私がオススメするのは、「苗を買ってきて植える」という方法。
種をまくより苗を買ってきて植えた方が、野菜育ての初心者にはハードルが低いです。
ミニトマトの苗はどんなものを選ぶ?
苗は、ホームセンターやスーパーなどで販売されているものを買います。
この時、「つぼみが付いていて、葉が8~10枚くらいついている」ものを選ぶといいですね。
そして、「枝が広く間延びしていない」ものを選ぶと、なおいいです。
トマト栽培に向いている季節
次に、トマトを育てるのに適した時期はいつなのかみていきます。
苗植えの場合4月から春先以降が最適
ミニトマトの苗植えの場合、4月かもしくは5~6月の少し暖かくなってきた頃の春先の季節が、最も栽培に向いています。
昼間の気温が20度~30度で夜の気温も15度以上あれば、ミニトマトの栽培を開始してもいい頃。
日本は縦に長い地形をしています。
自分のお住まいの地域で上記の気温が迎えられたら、即「ミニトマト栽培OK!」と思っておきましょう。
ポイント
【種まきの場合】
・種から育ててみたいと思った場合、3~4月頃から行いましょう。
・やはり夜間の気温が15度以上になる日がおすすめ。
・15度以上でないと芽が出にくくなるためです。
・もしも種まき後に冷え込む日があれば、軒下などに移動させて防寒対策をします。
家庭菜園のミニトマトの育て方
ここからは、ミニトマトの育て方を7つのパートに分けてご紹介していきますね。
①苗、プランターや鉢、支柱、土、肥料などを買う
鉢もプランターも、深さが30センチ以上あるものを買ってきましょう。
ミニトマトは2ヶ月近くで、人間の身長を超えるほど成長します。
それだけ大きく高く育つ植物だということは、根が深く張られます。
ですから、深い鉢やプランターが必要。
土や肥料は、ホームセンターに野菜用のものが販売されているので、そちらを購入すると失敗が少ないですね。
私は材料や道具も節約したいので、全部100均で買っていますが^^
苗以外だったら、100均でも全部そろえられると思いますよ。
買いに行くのが手間に感じる方はネット通販で購入しましょう。
②プランターや鉢にミニトマトの苗を植える
次にプランターや鉢に、買ってきたミニトマトの苗を植えていきます。
土を入れて平らにしたら、少し大きな穴を開けて、買ってきた苗を移し替えていきましょう。
ポイント
【鉢の場合】
鉢1個につき、1本の苗を植える
【プランターの場合】
苗の間隔を10~15センチごと開けて植える
苗を植えたら、根元に土をかぶせて少し「キュッキュ」という感じで、押さえます。
苗の5センチくらい横に割りばしを立てて、ビニールひも苗を「8の字」でゆるく結んでおきます(グラグラ防止)。
その後はたっぷりと水を与えましょう(鉢やプランターの下から水が少し出てくるくらい)。
夜に気温が15度を下回る日があれば、温かいところへ移動させて寒さから苗を守りましょう。
③10日~2週間ごとに追肥をする
野菜やトマトの肥料を準備して、10日~2週間ごとに1回与えます。
1回で与える量は、自分が買ってきた肥料の種類にもよりますが、読んでその説明書通り与えていきましょう。
おすすめは、トマト専用や野菜専用の化成肥料です。
そうしてある程度成長してきたら、ミニトマトの花が咲き始めると思います。
④人工受粉はさせなくてもOK
花が咲いたら天気の良い日に、指先で軽く「ぴんぴん」と花をはじいて、自家受粉させます。
なるべく、1つ目の咲いた花に「ぴんぴん作業」をすることをオススメします。
すると、受粉がすすみやすくなります。
植物は受粉しないと、実は成りません。
⑤実が付き始めたはまた追肥をする
ミニトマトの青い実が見え始めたタイミングで、もう1回化成肥料を与えておきましょう。
今からどんどん実を成長させなければなりませんから、ここは忘れずにやります。
⑥「脇芽かき」をする
「脇芽かき」とは、一番太い主茎を残して細い枝は全部摘み取っていく作業のこと。
この作業で主茎に十分な栄養が行き渡りやすくなり、美味しいミニトマトに成長することが狙えます。
1週間に1回、この脇芽かきをするのが理想的です。
⑦「摘心(てきしん)」をする
「摘心」は大きく成長したミニトマトの一番上の頭の部分、いわゆる頂上部分を、切り落とす作業のことです。
摘心をするとミニトマトの茎の成長はそこでストップ!
今度はミニトマトの赤い実の方に栄養が行き渡りやすくなって、美味しいトマトが出来やすくなります。
摘心の時期は、160~180センチの支柱を越えて、ミニトマトの花が4~5段くらいついてきた時です。
「もっと大きく育てば、たくさんミニトマトができるのに」という思いもわいてくるでしょう。
ですが、美味しいミニトマトを収穫したいなら、思い切って摘心をすることをオススメします^^
注意ポイント
【失敗する原因】
ここで、失敗ポイントをご紹介。
- 鉢やプランターの深さが足りない
- 水をやりすぎている
- 脇芽かきをしていない
- 摘心をしていない
ミニトマトは雨が少なく日照量の多い南米が原産。乾燥に強い性質を持つので、水をやりすぎるのはNG。
脇芽かきや摘心をせず放置しておくと、どんどん大きくなって、実に栄養が行き渡りません。
枝を伸ばすことに栄養が使われていくからです。
失敗ポイントを回避して、おいしいミニトマトをゲットしましょう!
トマトの葉っぱは料理に使えない?
トマトの葉っぱは、食べられません。
SNSなどで「トマトの葉を天ぷらにして食べた」などといった発信がありますが、実際は食べない方がいいと思います。
それは、トマトの葉には「トマチン」という物質が入っているからです。
トマチンは毒性のアルカロイド糖体なので、食べたら皮膚炎を起こす可能性も考えられます。
ジャガイモの芽に含まれる「ソラニン」同様、トマトの葉や茎を食べるのはお勧めできませんね。
家庭菜園のミニトマトの育て方Q&A
続いて、ミニトマトを作る上でよく疑問に思われることを、Q&A方式で回答していきますね。
Q1、ミニトマトを育てる時の土は何でもいい?
A:できれば、野菜用やトマト用の土を買って使いましょう。その方が、栽培に失敗しにくくなります。
ホームセンターでは、1袋200~300円くらいで、野菜用やトマト用の土が販売されています。
最初から肥料やたい肥が盛り込まれているため、自分で土作りから始める手間も省けます。
もしも、「土作りからしてみたい」と言われる方は、以下のような種類の土を準備して自分で混ぜて作ってみましょう。
ポイント
【土作りの目安】
・赤玉土(小粒)または庭土:7
・腐葉土 :2
・牛ふんたい肥 :1
の、割合いで混ぜ合わせる。
しして石灰を混ぜていきます。鉢1個に対して、手で握った1つかみ分だけ混ぜましょう。
これは酸性度合いを整えるためです。
土作りで困ったら、ホームセンターの店員さんなどに聞いてみましょう。
面倒な方はネットで購入しましょう。
Q2、トマト栽培の肥料は何でもいいの?
A:追肥していく肥料も、野菜用かトマト用の肥料を購入して使った方がよいでしょう。
もしくは、油かすなどの有機質の肥料を使うといいと思います。
追肥(ついひ)とは、種をまいたり移植したりした後に与える肥料のこと。
追肥をしないと、美味しいミニトマトには巡り合えません。
追肥は人間でいうところの、食事のようなものですから、しっかり与えていきましょう。
ポイント
【追肥のやり方】
・2週間に1回、トマト専用の化成肥料を与える
または、液体肥料や固形肥料でもOK!
肥料は茎の近くに置くと、根をダメにしてしまうので、15~20センチほど離したところに与えます。
Q3,支柱を上手く立てる方法やコツはないの?
A:苗を植えてすぐに、横に支柱を立てましょう。
苗を植えた時は、割りばしを使います。その後、つぼみが出た頃に150~180センチほどの支柱を立てます。
ミニトマトは、非常に高さが出る植物で、自分の身長を大きく超えて成長することもしばしば。
そのため、支柱を立てて茎を支える必要があります
支柱を上手く立てるコツは、
・苗を植えた時に、割りばしを茎の横5センチのところに立てる
・割りばしと苗を、ビニールひもで「8の字」で軽くくくる
・つぼみが出てきた頃に、150~180センチほどの支柱を立てる
長い支柱を立てたこの時は、花の方とは逆の位置に支柱を立てます。
ミニトマトの花や実は、全部同じ方角を向いているので、収穫する際に手際よくちぎり取れるようにするためです。
Q4、水はどれくらいの頻度?やり方とは?
A:水は土の表面が乾いたら、1回でたっぷりの量を与えていきましょう。
たっぷりの量とは、鉢やプランターの下からちょっと水が漏れ出てくるくらいの量です。
水のやりすぎは根を腐らせる原因なので、1日1回たっぷりの量を与えていきます。
注意ポイント
ミニトマトは元々、病害虫には強い植物です。水を与え過ぎないことで、健康で頑丈なミニトマトが育ちます。
Q5,アブラムシ対策はどうすればいい?
A:ホームセンターで、薬剤を買ってきて退治しましょう。
現在は、害虫対策として様々な駆除剤が販売されています。素人での駆除剤の調合は難しいですから、ホームセンターで購入した方が無難です。
アブラムシは、ありとあらゆる植物に寄生する害虫。汁を吸って、植物をダメにしてしまうのでやっかいです。
アブラムシを見つけたら、ガムテープや粘着テープで1匹1匹除去していくのもよい手段です。
私のおすすめ
実は私はスプレーできる容器を100均で買ってきて、自分で駆除しています。
牛乳と水を1:1で混ぜ合わせたものをスプレーに流し込んで、ミニトマトに「シュッシュ」とスプレーするだけ。
けっこう効いているのか、アブラムシはあまり寄ってきません。
よかったら、試してみて下さい^^
面倒な方はネットでこのような商品も売られているので、手軽です。
Q6,ナス科の植物を育てた土は使わない方がいい?
A:ナス科の植物を育てた後の土を再利用するのはやめましょう。
ナス科の植物は同じ土を使って何度も栽培すると、生育が悪くなります(連作障害)。
花が咲かなかったり、実がつきにくくなったりすることも。
ナス科の植物は土の栄養を強く吸い取って成長していくので、土が弱くなりがち。
土の栄養不足が引き起こす連作障害を避けた方が、良い実が成りやすいです。
注意ポイント
- ナス
- トマト
- ピーマン
上記は全てナス科の野菜です。
「昨年はナスを植えたから、今年は同じ場所にピーマンを植えよう」と、野菜の種類を変えても、連作障害を引き起こすことが考えられます。
ですからミニトマトを今年作ったら、来年はまた土を入れ替えて、土を新たに栽培していくことをオススメ。
家庭菜園で大玉トマト栽培が難しい理由
家庭菜園で、大きな大玉トマトを育てるのが難しい理由には以下のようなものがあります。
- 手入れが大変で手がかかる
- 実をつけたとしても雨などで劣化したり、割れやすくなる
- 尻腐れ症になりやすい
大玉トマトは、ミニトマトよりも繊細ですから、手入れの手間が増えます。
ミニトマトは初心者でも、ちょっとの手入れで実がつきやすく、収穫量も多いです。
だから、野菜作りの初心者には大玉トマトより「ミニトマト」の方がオススメなんですね。
「尻腐れ」とは・・・主に土の中のカルシウム不足で起こります。実のお尻部分が、黒っぽくなってしまう生理障害。
採れたミニトマトで食費を節約!
今度は、ミニトマトの調理方法を3つご紹介していきます。
ミニトマトのレシピは意外にもカンタンに作れるものばかり^^
収穫したミニトマトで、おいしく節約生活を楽しんでいきましょう!
【レシピ①】ミニトマトのマリネ
使うのは、プチトマト10個分くらいです。
まず、マリネ酢を準備しておきます。
マリネ酢
- りんご酢・・・大さじ1
- はちみつ・・・大さじ1
- オリーブオイル・・・大さじ1
上記は3つの調味料の割合いが一緒なので、ミニトマトの量を増やしたときも簡単に作れます。
次にミニトマトを「湯むき」します。
- ミニトマトに薄く切り目をつける
- 沸騰したお湯にトマトを30秒ほどつける
- 取り上げて冷水にひたす
- ミニトマトの皮をむく
- 「マリネ酢」に漬け込む
- 冷蔵庫で3時間ほど置く
冷蔵庫に長時間置いておくことで、味がしっかり馴染み、美味しさが際立ってきます。
ポイント
リンゴ酢味に飽きたら、「白だしマリネ」もおすすめです。
【白だしマリネ酢】
・白だし・・・大さじ2
・酢・・・大さじ2
・オリーブオイル・・・大さじ2
【レシピ②】プチトマト&ブロッコリーのチーズ焼き
続いて、ミニトマトと高相性のブロッコリーを使ったお手軽レシピです。
プチトマト10個とブロッコリーはお好きな分量でどうぞ。
- プチトマトとブロッコリーを耐熱皿に並べる
- とろけるチーズをのせる
- オリーブオイルを上から回しかける
- 塩こしょうを上から振りかける
- オーブントースターで3~4分焼く
- 焦げ目がついたら出来上がり!
チーズ味に飽きたら、とろけるチーズの上から「マヨネーズ」をかけて焼いてもおいしいです^^
【レシピ③】ミニトマトと卵の中華風炒め
今度はブロッコリーに負けず劣らず、ミニトマトと相性抜群の「卵」を混ぜ込んだ料理です。
準備するミニトマトは5~6個に対して、卵が2個です。
まずはボウルに以下の調味料を混ぜておきます。
- 卵・・・2個
- 創味シャンタン・・・大さじ2
- 黒こしょう・・・少々
- 塩・・・少々
ミニトマトは半分に切っておきます。
- フライパンにごま油を敷く
- ボウルの中の卵を入れて半熟に炒める
- 卵をいったん別の皿に取り出す
- そのまま同じフライパンでミニトマトを1分炒める
- 先ほど皿に取り出した卵を戻し入れる
- 味見して塩が足りないようなら追加する
卵は面倒でもいったん取り出したほうが、ふんわり仕上がって美味しいです。
(ですが私は時間がない時、卵の後にすぐミニトマトを投入してしまいます;^_^
ミニトマトを使ったレシピは、レシピサイトにもたくさん掲載されています。
家庭菜園でたくさん収穫できたら、ぜひミニトマト料理を堪能してみて下さいね。
まとめ
ミニトマトは家庭菜園の中でも、初心者に作りやすいおすすめの野菜。
少しのポイントを押さえれば、2か月ほどで真っ赤なおいしい実を食べることが出来るようになります。
家庭菜園の強みは節約になるだけでなく、やりがいも感じられるところ。
目を向けるたびにちょっとずつ大きくなっていくミニトマトを眺めるのは、節約生活の中の癒しにもなりますよ。
節約を楽しくするために、ミニトマト栽培を始めてみませんか^^
育てやすい野菜を時期や難易度から一覧で見たい方はこちらの記事を参考にしてください。