あなたは『てっぽう』というお肉を知っていますか?
『てっぽう』と聞くと……。なんだか物騒な名前ですよね。
今回はそんな『てっぽう』について
牛と豚、2種類の部位の場所、名前の由来、特徴、調理方法などについて解説します。
Contents
牛のてっぽう肉とは?どこにある部位?
牛の腸の一種で、直腸のことを言います。
てっぽうというお肉の由来は
お肉を開いた形が鉄砲に似ていることから
この名が付いたと言われています。
冒頭での予想通り、鉄砲に由来していました。
他にも「オカマ」や「ケツ」といった呼ばれ方をすることもあります。
部位の場所を考えると納得の呼ばれ方ですが、何となく大きな声で口に出せない雰囲気があります。
しかし、てっぽう肉は一頭の牛からとれる量が少なく、希少価値の高い部位となっています。
牛のてっぽう肉の栄養素はどのくらい?
牛のてっぽう肉の三大栄養素はそれぞれ100g換算で
・タンパク質が11.6g
・脂質が7g
・炭水化物が0g
です。
気になるカロリーの方は100gで115kcalです。
また、血液や神経を健やかに保つビタミンB12や
丈夫な骨を作るビタミンKがたくさん含まれています。
牛の内臓肉としては脂肪の少ない部位で、低カロリーの食材です。
具体的に同じ腸の部位である小腸と大腸の数値と比較してみました。
小腸の脂質は26.1g、カロリーは287kcalで、
大腸の脂質は13g、カロリーは162kcalでした。
分かりやすく数値で表れていますね。
牛のてっぽう肉の特徴とは?
上でも述べたように、同じ腸に含まれる小腸、大腸と比べて脂身が少ないのでさっぱりとした味です。
また、小腸、大腸と比べて弾力があり、歯ごたえのある食感です。
ちなみに小腸よりも大腸の方が弾力のある食感になっています。
ここで、今までの解説を踏まえて牛の腸のざっくりとした特徴をまとめてみます。
牛の腸は入り口の胃に近い部位ほど脂身が多くて柔らかく、
出口の肛門に近い部位ほど歯ごたえがあり、あっさりしています。
ひとつひとつの部位の特徴を別々に覚えようと思うと大変です。
しかし、この関係性を覚えておくと飲食店でのメニュー選びも分かりやすくなりそうですね。
また、てっぽう肉はお肉としてだけでなく、大型ソーセージのケーシング
としても使われています。
ケーシングとは?
ウインナーやソーセージの皮のこと。
動物から皮を作ることや人工的にコラーゲンを使って作られる場合もある。
豚肉や牛肉以外にチーズ、野菜、穀類などを入れて作る「リオナソーセージ」などが有名です。
豚のてっぽう肉とは? どこにある部位?
豚も牛と同じように直腸のことを指します。
また、「あぶら」や「チューブ」という別名もあります。
こちらも牛と同じように1頭からわずかしか取れない希少な部位です。
その「珍しさ」や「美味しさ」の割にはまだまだ知名度の低い部位と言えるでしょう。
豚のてっぽう肉の栄養素はどのくらい?
希少な部位ということもあり、豚のてっぽう肉だけの詳細なデータがありませんでした。
ここでは参考として大腸の栄養素の数値を見てみたいと思います。
大腸と直腸は肉の部位の区別としては違う箇所ですが、
消化器官として大きく分けると直腸は大腸に分類されます。
そして豚の大腸の三大栄養素はそれぞれ100g換算で、
・タンパク質が11.7g
・脂質が13.8g
・炭水化物が0g
です。
てっぽう肉は大腸に比べると脂肪分が少なくなっています。
また、豚の腸には、
・疲労回復に効果的なビタミンB群
・血液をつくる働きがある鉄分
・粘膜や皮膚を健やかに保ったり、味覚を正しく保ったりする働きがある亜鉛
が豊富に含まれています。
豚のてっぽう肉の特徴
豚の腸には小腸、大腸、直腸(てっぽう)があります。
その中でてっぽう肉は他の腸の部位よりも一番美味しいと言われています。
大腸よりもさらに肉厚、歯ごたえのある食感で食べ応えがあり
脂肪分が少ないのであっさりと食べられます。
噛めば噛むほど濃厚な旨味を感じることが出来、病みつきになる人も多いです。
牛と豚のてっぽう肉の違いとは?
ここまで牛と豚、それぞれのてっぽう肉の特徴や栄養素を見てきました。
まとめるとそれぞれの小腸や大腸と比べると脂質が少なくあっさりとしていて、
歯ごたえのある食感がてっぽう肉の特徴ということでした。
分かりやすい違いを挙げるとするなら、牛のてっぽう肉の方がより歯ごたえがあるというところでしょう。
とはいえ、牛と豚のお肉自体の味わいや旨味の違いは実際に感じてみるのが一番です。
では、実際に食べ比べて見るときにご家庭でどのように下処理をするのか見ていきましょう。
あまりにも下処理がめんどくさい場合は焼肉やさんで食べることをオススメします。
てっぽう肉の下処理について
焼肉屋やホルモン料理のお店、居酒屋などで提供されているてっぽう肉ですが、ご自宅での調理も可能です。
しかし他の内臓肉と同じように、新鮮なものであっても臭みを感じてしまう場合もあります。
しっかりと下処理をすることで臭みを取ることが出来ますので、その方法をご紹介します。
てっぽう肉の下処理方法
1.てっぽう肉を冷蔵庫などで冷やしておき、白い脂肪部分を指でむしり取るようにして取り除きます。
2.たっぷりのお湯で1~2分ほど茹でこぼします。
3.粗熱が取れたら塩を振りかけ、ボールにためた水の中で揉み洗いします。
一度水を捨てた後、新しい水を溜め素早くぬめりを取りザルにあげてください。
ぬめりが気になるようなら何度か水を替えて洗いましょう。
4.香味野菜(生姜やネギ)を入れてお湯を沸かし、その中へ3のてっぽう肉を入れて茹でます。
お好みの硬さになるまでじっくり茹でましょう。
てっぽう肉のオススメ料理
てっぽう肉は色々な料理に使うことが出来ます。
ただ、より美味しく食べるためにも炒め物や煮物の場合には調理前に下処理を行ってください。
ここからはおすすめの料理を紹介します。
・てっぽうの焼肉
シンプルに生のまま焼きます。
特に豚のてっぽう肉は焦げる直前までしっかりと焼くことで『外はカリッと、中はふわっと』した食感を楽しむことが出来ます。
食感が固すぎると感じる方は生ではなく、下処理をした後に焼きましょう。
・てっぽうの炒め物
下処理をしたてっぽう肉だけで炒めても、野菜などと一緒に炒めてもおいしくいただくことが出来ます。
塩コショウや中華風、しょうゆ味などお好みでどうぞ。
・てっぽうの煮物・鍋
下処理をしたてっぽう肉を味噌味、しょうゆ味などでコトコト煮込みます。
また、濃い出汁でモツ鍋として食べるのもおすすめです。
牛と豚のてっぽう肉は通販でいくらくらい?
ここまで見て家で料理のアレンジでてっぽう肉を使ってみたくなったあなた!
「いくらくらいで購入できるのか?」
同じお店で、それぞれ国産の生肉500gの値段を比べてみました。
牛てっぽう肉が1200円
豚てっぽう肉が800円
他の部位と同じく、牛よりも豚の方がお安いですね。
まとめ
今回は牛と豚のてっぽう肉について部位の場所や特徴、調理方法について解説しました。
肉厚で噛むほどに旨味が出てくるてっぽう肉は焼いても、炒めても美味しくいただける食材です。
一頭からわずかしか取れない希少部位ですので、
見かけたらすかさず注文、購入!貴重な部位をぜひ味わってみてください。