あなたは『チレ』というお肉を知っていますか?
一部の焼肉屋やホルモン屋では提供されていますが、知名度はそんなに高くないお肉です。
今回はそんなレア食材、チレについての部位や特徴、栄養、調理方法について解説します。
牛のチレ肉とは? どこにある部位?
牛の脾臓(ひぞう)のことを言います。
脾臓の周りの薄皮をはぎ取って加工する、レバーよりも黒ずんで見えます。
ちなみに脾臓とは
・一体何なの?
・どういう働きがあるの?
と思った方のために脾臓をおさらいしておきます。
脾臓には、血液の中にある赤血球の若さを保つ働きをしています。
寿命が来てしまった赤血球を壊して
その中から新しい赤血球の材料を取り出してくれます。
牛などの動物だけでなく、人間にも備わっている臓器です。
また、チレ肉は一頭からとれる量が少なく希少部位とされています。
牛のチレ肉の特徴とは?
チレの食感や味は牛レバーに似ています。
レバーよりも細かいキメがあり柔らかいですが
歯ごたえは少し強いです。
牛レバーの弾力に物足りない方には、オススメです。
チレの味はレバーよりもさらに濃厚、臭みや苦みをより感じることもあります。
言ってみると『レバーよりもよりレバーらしい、独特の食感やクセのある味を楽しめる部位』といったところでしょうか。
レバーは好き嫌いが分かれる部位とも言われています。
チレ肉も同じく、またはそれ以上にホルモン上級者向けの通の部位と言えそうですね。
またチレ肉は鮮度がとても重要で、鮮度が落ちるとより臭みが出るようになってしまいます。
続いては豚のチレ肉を見ていきましょう。
豚のチレ肉とは? どこにある部位?
牛と同じく、脾臓のことを言います。
こちらも一頭からとれる量が少なく、希少部位です。
豚のチレ肉の特徴
こちらは豚レバーと似た味の食感です。
ただ、レバーよりも水分が少なく、パサパサとした食感が特徴です。
焼きとん屋さんでは網脂(あみあぶら)を巻いて
炒めたり串焼きにしたりすることもあります。
網脂とは、豚や牛の内臓の周りにある網状の脂のことを言います。
網脂を巻くことで、パサパサしている食材でも噛んだときに
肉汁を感じることができる優秀なアイテムです。
一部のお店では「あみレバー」という極うまの串を置いているお店もあります。
メニューにあったら絶対に頼むことをオススメします。
また、ハンバーグや包み揚げなど、材料を包むためにも使われています。
牛と豚のチレ肉の違いとは?
牛のチレも豚のチレもそれぞれ動物のレバーに似た食感と味です。
牛はより濃厚で苦みがある、豚はより水分が少ないという特徴があります。
あえて違いを挙げるとするなら、豚チレ肉の方が独特のクセが少なく食べやすい。
チレとタチギモは同じ部位なの?由来は?
牛のチレ肉も豚のチレ肉も、別名として『タチギモ、タチ』と呼ばれることがあります。
これは違う部位のことではなく、同じ脾臓のことを指しています。
なぜこのような別名があるかというと、その言葉の由来に違いがあるからです。
ココがポイント
『チレ』とは朝鮮語で内臓のことを表す『チラ』に由来しています。
朝鮮の南部地方の方言では『チラ』を『チレ』と発音するそうです。
一方で『タチギモ、タチ』は脾臓の形から来ていると言われています。
脾臓は細長く『太刀(たち)』のような形をしています。
『太刀』のような形で『レバー(肝)』に似ている部位ということで
『タチギモ』と呼ばれるようになったようですね。
チレ肉の栄養素は?
チレ肉には鉄分やビタミンがたくさん含まれています。
鉄分は赤血球の成分になります。
赤血球とは血液の中で酸素を体中へ運ぶ細胞です。
ビタミンは人間が健康に成長し、また健康を維持する役割があります。
チレ肉のオススメ料理
チレ肉はご自宅でも調理することが出来ます。
まずは少ない工程で作れるおすすめ料理を紹介します。
チレレバ炒め
料理の手順
・ごま油ににんにくのみじん切りを入れ香りがたったらチレを炒めます
・チレに火が通ったら、もやしとニラを入れ、軽く炒めた後、味付けをします。
チレの唐揚げ
料理の手順
・一口大に切ったチレに下味をつけ
・寝かせて味をなじませます
・片栗粉と小麦粉をつけ
・カラッと揚げます
次にパーティメニューにも使えるおしゃれ料理、カナッペを紹介します。
チレのカナッペ
料理の手順
・一口大に切ったチレ、セロリ、玉ねぎに
・塩コショウ、お好みのスパイス類、オリーブオイルを良く揉みこみ、一晩寝かせます。
・具材をオリーブオイルで炒めてフードプロセッサーでペースト状にします。
・ガーリックバターを塗ったバケットなどにペーストを塗ります。
このように調理方法を見ていくと、レバーと同じような感覚で料理出来る食材ですね。
そのため醤油やみそなど濃い味で煮物にするのもおいしそうですね。
チレの下処理について
内臓肉を美味しく食べるには下処理が肝心です。
上記でレバーと同じような調理方法をご紹介しましたが、
やはり下処理もレバーと似ていますのでご紹介します。
チレ肉を食べやすい大きさに切り分け、冷たい水で複数回洗って血抜きをします。
まだ臭みが気になる場合は牛乳やお酒にしばらく漬けてから料理に使いましょう。
牛と豚のチレ肉は通販でいくらくらい?
ネット通販の同じお店で取り扱われているお肉の値段を比べてみました。
どちらも国産で200g、カット済みのお肉です。
結果は
牛チレ肉が約600円
豚チレ肉が約400円
ちなみに味がよく似ているレバーの値段は
牛レバー肉約880円
豚レバー肉約550円
希少部位だからといってチレ肉の方が高価!というわけではないようです。
レバーの方が一般的に知名度が高いので需要と供給の関係もあるのでしょう。
ただ筆者が今回調査したところ、レバーよりも圧倒的にチレはヒット件数が少なく
流通量も少ないことが分かりました。
まとめ
今回は牛と豚のチレ肉について部位の特徴、調理方法、ネット購入する際の値段などについて解説しました。
チレ肉はレバーに似た味や食感ですが、舌触りや独特の旨味など、
食べてみないと分からない違いがあります。
希少部位ですので飲食店で出会う確率はそれほど高くありません。
気になる方は通販などで購入してご自宅で味を確かめてみてくださいね。