会社の歓送迎会や何かの打ち上げなど、
焼肉に行かれる機会は何度かあるかと思いますが、
皆さんが焼肉で好きなお肉はどこの部位ですか?
塩とレモンでさっぱり食べられるタン、という方もいれば、
しっかりサシが入ったカルビ、という方もおられるでしょう。
今回は、そんな数ある定番お肉の中でも、
トップクラスの人気を誇る部位の1つ
ハラミについてご紹介します。
以前、「サガリ」の記事でも登場した「ハラミ」について、
・ハラミの場所
・ハラミの特徴
・ハラミの値段相場
などを見ていきましょう。
Contents
ハラミはどこの部位?
肉の中でもかなりメジャーな部位なので、ご存じの方もおられるでしょう。
ハラミはズバリ、横隔膜の一部のことです。
横隔膜は哺乳類にのみ備わっている板状の筋肉で、
我々哺乳類はこれを収縮・弛緩することで肺の動きをコントロールして
呼吸しているのです。
この横隔膜を食材として扱うときに
「ハラミ」と呼びます。
また、以前の記事で紹介したように、
同じ横隔膜でも場所によって呼び方が異なり、
背中側が「ハラミ」、お腹側は「サガリ」
とそれぞれ別の食材として扱われます。
背中側なのにハラミ(腹身)って面白いですよね。
おそらく、サガリとの区別はせずに、
大体お腹のあたりにあるからというのが由来なのでしょう。
ちなみに英語だと
Outside skirt(アウトサイドスカート)
と言います。
Outsideなので、背中側という位置関係的にはこちらの方が納得できますね。
また、お店によっては「ハラミ」と「サガリ」を
厳密に区別せずにハラミとして提供しているお店もあります。
「ハラミ」のほかに、そのまま「オウカク」と呼ばれることもあります。
それではここからは、動物ごとに紹介します。
牛ハラミの部位と特徴
牛ハラミ肉はどこにある?
牛や豚は人間と違って四足歩行なので、
横隔膜と言われてもどのあたりにあるか
なかなかすぐにはイメージできないかと思います。
牛のハラミは横から見たとき、
胴体のちょうど真ん中あたりにあり、
胃袋類を覆うような形でついています。
先ほど説明したとおり、肺の動きをコントロールする役割があるので、
すぐそばに肺があります。
1頭からとれる量は2~3kg前後なので、
人気が高い割に取れる量が少なめで希少な部位です。
牛ハラミ肉の特徴は?
ハラミの特徴は、なんといってもあの肉感です。
カルビほど脂が多くなく、なおかつしっかりした噛み応えがあるので、
老若男女問わず楽しんでいただける部位だと思います。
生の状態だと、赤黒く紫に近い色をしています。
ちなみに、筆者は焼肉店でアルバイトをしていましたが、お店の社員さんに
「1種類だけ好きなお肉を好きなだけ食べられるとしたらどれ選びますか?」
と聞いたことがあります。しょうもない質問であることは置いておいて、
その社員さんは「ハラミ」と即答されました。
理由は「一番量たくさん食べれそうだから」とのこと。
お肉のプロも認める食べやすさなので、
とにかく肉でお腹を満たしたい方におすすめです!
続いて、豚ハラミについてです。
豚ハラミの部位と特徴
豚ハラミ肉はどこにある?
豚も牛と同様四足歩行の動物なので、
横隔膜も似たような位置についています。
牛ハラミほどメジャーではないイメージですが、
焼肉店などで見かけることがあります。
豚ハラミ肉の特徴は?
牛ハラミと同じように、しっかりとした噛み応えを楽しめます。
ただ、筋の入り方によってはやや硬くて噛みきりにくい部分もあるので、
はさみで一口サイズにカットして食べると
小さなお子様やお年寄りの方にも食べやすくて安心です。
牛と豚のハラミ肉の違いとは?
基本的には同じ哺乳類の横隔膜ですので、
味わいなどにそれほど大きな違いはありません。
ただ、先ほどご紹介したように、
豚ハラミでは肉の筋の入り方の具合で、
食べるときにやや硬く感じられる部分もあります。
一方、牛ハラミでそういう筋の影響を感じた経験はないので、
この辺りが牛ハラミ と豚ハラミの違いです。
ハラミ肉の栄養素
牛ハラミ肉の場合、カロリーは100gあたり約342kcal です。
カルビが約461kcal、タンが約368kcal なので、
人気の部位の中では標準的なカロリーです。
これに対し豚ハラミの場合、カロリーは約400kcal と言われています。
やや高いとはいえ、牛ハラミとそこまで大きな差は、ないですね。
ただ、豚肉の中で見るとかなり高いカロリーなので、
豚肉という括りの中から選ぶのであれば,ヘルシー志向の方にはおすすめできません。
比較用にご紹介しておくと、
豚バラ肉が約386kcal 、豚ロースが約263kcal です。
ハラミの焼き方
焼肉のときに覚えておいてほしい、
ハラミの焼き方についてです。
ポイントは、基本に忠実に両面しっかり焼くこと。
そして、横面もちゃんと焼いてください。
ただ、もともと脂が少なめの部位なので、
もちろん焼きすぎると硬くなります。
表面に焦げ目がついて中にほんの少し赤味が
感じられるくらいが食べごろです。
焼くときは
ハラミは太りづらいって本当?
先ほど標準的なカロリーと紹介しましたが、
実はハラミは太りづらいお肉だと言われています。
その理由は大きく2つ。
まず1つ目の理由として、ハラミは筋肉を作るのに欠かせないたんぱく質を
豊富に含んでおり、なおかつ脂肪分が少ないからです。
さらにハラミが太りづらいと言われるもう一つの理由として、
塩分や水分の代謝に必要なカリウムを多く含むため、
ハラミ肉がむくみの解消にも効果的なためです。
お肉全体の中では決してヘルシーな部位ではありませんが、
食べすぎや、野菜も一緒に食べるようにするなど、
食べ合わせに注意すればそれほど敬遠する必要は無さそうです。
牛と豚のハラミ肉の値段相場はいくら?
人気が高く食べ応え・味などが抜群の部位なので
お家で焼肉をするときにも、主役になれます。
スーパーで取り扱っているところもありますが、
通販で購入する場合、どのくらいの値段になるのでしょうか。
調べてみたところ、
牛ハラミの場合、1kgあたり3000円前後
豚ハラミの場合、1 kgあたり2000円前後
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他の部位と同じく、牛の方がやや値が張りますね。
どちらも味わいにそこまで大きな違いはないので、
経済的には豚ハラミの方がよさそうです。
ハラミは内臓肉!?内臓っぽくない内臓肉
※ここからは余談です。興味のない方は飛ばしていただいて構いません。
さて、溢れるような肉感が味わえるハラミですが、驚くべきことに
分類的には内臓肉になるのだそうです。
これがどのように分けられるかというと、
と殺後の解体時に、臓器と一緒に取り出される部位が内臓肉と呼ばれるそうです。
なので、逆に言えば、臓器と一緒に取り出されるのであれば、
その部位自体が臓器でなくとも内臓肉に分類される
ということなのです。
ここからは、そんな内臓肉っぽくない内臓肉を
いくつか紹介します。
タン
まず、ハラミと並んで内臓肉っぽくない代表と言ってもいい部位が「タン」です。
わざわざ説明する必要もないかと思いますが、舌(tongue)のことです。
少々残酷な話になりますが、
と殺後の内臓処理のとき頭部と胴体も切り離してしまうので、
頭部についている肉は基本的に内臓肉になります。
なので舌が内臓かと聞かれると微妙なところではありますが、
タンは内臓肉に分類されるのです。
焼肉などでは最初や、一通り食べた終わった後のもう一皿で
頼まれる方が多いですね。
塩やネギでさっぱり食べられるのが魅力ですが、
実はカロリーが高めなので、食べすぎにはご用心。
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ホホ肉
頬っぺたの肉のことです。このほか「カシラ」や「ツラミ」と呼ばれることもあります。
ホホと言えば、生きている間ほとんど常に動かしている部分です。
なのでほほ肉には余計な脂がなく、弾力があります。
肉質自体はほとんど赤身肉なのですが、「タン」と同様の理由から、
内臓肉に分類されます。
焼肉以外に煮込み料理などに使われることもあります。
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テール(牛)
尻尾(tail)の部位です。
そのまま焼いて食べられることもありますが、
中心部に骨があることと、とてもいいダシが取れることから、
煮詰めてスープとして提供されることが多いです。
これも内臓処理のときに切り離されるので内臓肉です。
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まとめ
いかがでしたか?
焼肉の定番部位「ハラミ」について、
牛、豚ごとの特徴、栄養、値段などの側面からご紹介しました。
以前紹介した「サガリ」と似ているので、
お店で食べ比べをしても面白いかもしれませんね。