あなたは牛肉がお好きですか?
普段購入するときは、値段や
産地ぐらいしか気にする方はいないと思いますが、
牛の品種によっても様々な特徴をもつことが
知られています。
日本だと和牛が有名ですが、
海外を原産とする品種も特徴豊かで
興味深いものです。
今回はそんな海外原産の牛の中から、
「ホルスタイン種」についてご紹介。
特徴や歴史など色々な面から説明します。
興味がある方はぜひお付き合いください。
Contents
ホルスタイン種とは?
ズバリ、「ヨーロッパを原産とする品種」です。
正式名称は、「ホルスタイン・フリーシアン種」と言いますが、
単に「ホルスタイン」と略して呼ばれることが多いです。
一般的に、ホルスタインというと乳牛のイメージが強く、
肉牛としてのイメージは湧きにくいかもしれません。
しかし日本においても、ホルスタイン種は
肉用牛として欠かすことのできない品種になっています。
性格は穏やかでおとなしく、
とても飼育しやすいと言われています。
この記事では肉用としてをメインにお話ししますが、
乳牛としての「ホルスタイン種」についても、
紹介しておきます。
乳牛としての「ホルスタイン種」
広く飼育されている最も大きな要因は、
その圧倒的な乳量です。
平均でも年間5000 kg 以上もの牛乳が搾れ、
10000kg を超えるものも珍しくありません。
ごく稀に20000kg 以上の個体も存在しており、
それらは「スーパーカウ」と呼ばれ、
日本には100頭前後しかいないと
言われています。
このような乳量を誇ることから、
ホルスタインは、
「乳牛の女王」と称されることもあります。
ホルスタイン種の特徴
原産
「ホルスタイン種」の原産は、
1か所ではなく、ドイツ・オランダの2カ国であると言われています。
「ホルスタイン」という名前の由来になっているのは、
ドイツのシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州です。
このほかオランダの北オランダ州やフリースランド州も
「ホルスタイン種」の原産と言われます。
体格・体重
ホルスタインの外見的特徴と言えば、
何といってもあの白黒のシマ模様です。
「ホルスタイン柄」として定着しており、
まさにホルスタインを象徴するデザインになっています。
体格はかなり大きく、
オスの場合、体高約160cm 、体重約1100kg 、
メスの場合、体高約141cm 、体重約650kg 程です。
オスは特に、他の品種と比べて大柄であることが
お分かりただけるかと思います。
また、世界中で広く飼育されているホルスタインですが、
実は地域によって若干体型が異なります。
アメリカ型は四肢が長くて体高も高く、乳牛専用、
ヨーロッパ型は後躯がしっかりしており、乳牛肉牛
両方の目的で飼育されます。
イギリス型はこれらの中間の体型で、四肢が短くコンパクトで、
ブリティッシュ・フリーシアン種と呼ばれます。
ホルスタイン種の肉質
ホルスタインの肉質は、
脂は少なめで、赤身がしっかりとした味わいです。
ミンチなどの加工肉として流通することが
多いようです。
ホルスタイン種の歴史
ホルスタインの原産はドイツとオランダであると
紹介しましたが、なぜ原産が2カ国もあるのでしょう。
それは、紀元前300年ごろ、現在のドイツのライン川を経て、
オランダのフリースランド州へ渡った人々によって持ち込まれた牛が、
ホルスタインの祖先と言われているからです。
これだけ読むと、ドイツが原産じゃないの?と思う方も
おられるかもしれませんが、このとき持ち込まれた牛は、
現在のホルスタインとは少し違う品種で、
その後のオランダでの品種改良で現在我々が
目にするホルスタインになったので、
やはりオランダも原産と言えます。
日本において、ホルスタインが輸入され始めたのは、
明治22年のことです。
当時は乳用と肉用の兼用を目指して交配が試みられたようですが、
乳量が減るうえ、さほど肉質もよくなかったことから、
交配しない飼育に転換していきました。
ホルスタイン種の雄牛とは?
ホルスタインは乳牛として知られていますが、
牛乳が搾れるのはもちろんメスだけです。
では、ホルスタインのオスはどうでしょうか。
オスは肉用として飼育されるほか、
種雄牛として重宝されることもあります。
種雄牛とは、目的にあった遺伝子を持つ雄牛のこと。
例えば、ある病気に強い遺伝子をもつ種雄牛をかけあわせることで、
それまで病気に弱かった品種を改良するといったような感じです。
この種雄牛は様々な名前のものがあり、
それぞれに特徴があるようです。
どのように名付けているのかは分かりませんが、
調べてみると不思議な名前のものもいました。
ホルスタイン種の雄牛一覧
ほんの一例ですが、紹介します。
- メドレー
- ミキサー
- ブラックゴールド
- アーチバー
- メリック
- ニルバーナ etc...
とにかくたくさんの種雄牛がいるようです。
実際に交配させるときは、どのような遺伝子を受け継がせたいかによって、
数ある種雄牛から選び出すようです。
まとめ
いかがでしたか?
肉牛としてよりも乳牛として一般的である、
「ホルスタイン種」について、
特徴や歴史などの面からご紹介しました。
肉用として意識することはあまりないと思いますが、
ホルスタインも我々の食卓に欠かせない品種ですので、
牛乳を飲むときにでも思い出して感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
ちなみに、輸入牛の中でも純粋な肉用牛である、
「アバディーンアンガス種」と「ヘレフォード種」については、
別の記事で詳しく紹介していますので、
気になった方はこの記事と合わせてご参照ください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。