今回は豚のモモ肉について徹底的に解説していきます。
あなたは、豚のモモ肉と聞いて何か思い出せる料理名はありますか?
モモ肉といえば唐揚げという方もいるかも知れませんね。
でも、モモ肉って言葉を知っていても、どこの部位でどんな特徴があるのかまで
理解している人は少ないと思います。
ですので、今回はモモ肉を更に細分化して
・ソトモモ
・ウチモモ
に分けてモモ肉を徹底解説していきます。
また、養豚経験者の私が豚の豆知識も織り交ぜて記事を作成したので
楽しみながら読んでくれると嬉しいです。
それでは、早速見ていきましょう。
豚のモモ肉ってどこの部位なの?特徴は?
私たち人間の場合は足のもも(膝の上)を思い浮かべますが、足ではありません。
豚の後ろ足の上にあるお肉で、お尻に近い部分が豚のモモ肉です。
豚のモモ肉は大きく分けると2つに分けられます。
お尻よりも頭に近い側をウチモモ。
お尻側(胴体の1番後ろ)にあるのがソトモモです。
「なぜ、同じモモ肉なのに2種類に分かれるのか?」
それはズバリ!肉質に違いがあるからです。
ソトモモのお肉は豚の体の中でも最も筋肉が発達している場所です。
他の部位でも何回か説明しましたが
「強い筋肉がある=固いお肉」
「弱い筋肉がある=柔らかいお肉」
となります。
ですので、ソトモモはかなり固いお肉となります。
ウチモモはソトモモよりは筋肉が発達していないですが
ロースなどと比べると肉質は粗く固いです。
モモ肉(ソトモモ・ウチモモ)は他の部位に比べると食感は固いのが特徴です。
その理由にモモ肉は後ろ足の付け根にあるためにじん帯(スジ)が多い部分です。
スジは食肉処理場で大部分は削り取られますがすべてではありません。
そのために固いスジの部分が多く残るのでモモ肉は固いのです。
ココがポイント
ソトモモ →肉質はかなり固い
ウチモモ→ソトモモよりは柔らかい
また、二つのモモ肉は色味も若干が違います。
ソトモモの色合いは濃い赤色
ウチモモの色合いは淡い赤色
となっています。
豚さんの豆知識
豚の赤ちゃんに寒さは大敵です。
隙間風だけでも体温が低下して死んでしまうこともあります。
そんな時は保温室に入れます。暖房は裸電球を使います。
勿論保温室も手作りです。1m×1m×60㎝の立方体です。
母豚が暴れたら壊れる程度の物ですから隣の豚房に設置します。
気温が上がる昼間は電球が上に上がるように、逆に夜間は下げるようにコードで調整します。
電球の高さを、子豚達が絶対に触れない様にしなくてはいけません。
子豚達が自らいたずらをして保温室を壊すようになったらもう不要です。
元気な証です。
でも、常におとなしすぎる子豚がいないかはチェックしています。
今気づいて対処するのと、半日後に対処するのでは雲泥の差があり
命に関わるからです。
豚モモ肉のカロリーや栄養素は?
カロリーからお伝えしましょう。
以前の記事でご紹介した物も列挙してみます。
豚肉のカロリー
ご覧の通り、ウチモモとソトモモではカロリーに大きな違いがあります。
ウチモモよりもソトモモの方が脂分が多いのでこのような違いが出ます。
栄養素に関して言えば、ビタミンB6とナイアシン・カリウムが豊富に含まれています。
ビタミンB6が不足すると皮膚や粘膜が荒れやすくなり
口内炎や肌荒れがおきる原因となります。
ですので、豚肉は美容にも期待できます。
また、カリウムも多く含まれています。
カリウムには余分な塩分を体外へ出し、血圧を下げる役割もありますので高血圧の予防にもなります。
豚のバラ肉でもご紹介した通りナイアシンは血行促進に期待できます。
豚の豆知識
子豚は1.4kg前後で産まれてきます。
そして、生後6ケ月にもなると100kgを超えます。
出生体重が1kgだったとしても約100倍、1.4kgだとしても約71倍になります。
なので、小さい可愛らしい子豚の時期はあっという間に終わってしまいます。
少し寂しいですが、成長を感じられるので
悲しいと嬉しいが半々ですね。
豚モモ肉のおすすめ料理って?
どんなお料理にも使えるお肉だと言っていいでしょう。
ブロック肉なら、煮豚やチャーシュー。
厚切りスライスなら、ソテー。
薄切りスライスなら肉じゃがや肉豆腐・生姜焼きなどがあります。
栄養価のお話しをしましたので、更に効果の見込める食べ合わせ等をご紹介します。
私が好きなのは2つあります。
1つは、ニンニクと玉ねぎと豚モモの厚切りスライスを使ったお料理です。
炒めたり、少なめのしょうゆだしで煮込んだり、そのまま炭火で焼くこともあります。
もう一つは、カボチャとサツマイモと一緒に薄切りスライス肉を煮込んだお料理です。
私は味噌汁風にして頂きます。前者は疲労回復に、後者は老化防止に期待できます。
ニンニクや玉ねぎにはビタミンB1のエネルギー代謝を補助する成分(アリル化合物)
が含まれておりますので疲労回復が期待できます。
サツマイモにはクロロゲン酸やアントシアニンが含まれていますので、
美容や美肌を意識する方にも注目の食材といえます。
豚のモモ肉も料理の幅はとても広いので、どんな料理にも合います。
ご自分でお好みの一品を見つけるのもいいでしょう。