ジビエ

ジビエ料理を食べたいけど安全性が心配!気になる放射能や病気

最近話題のジビエ。

ジビエとは野生動物の肉のことで、基本的には猟師さんが野山を巡って

捕獲してくれたものを私達がいただくわけですが

そもそも

「野生動物の肉って安全なんでしょうか?」

安全だと言うのならば

「どうやってその安全性が確保されているのでしょうか?」

今回は、ジビエ肉の安全性について見ていきたいと思います。

それではさっそく見ていきましょう。

ジビエ料理の安全性について 安心して食べることはできる?

先ほども言いましたが、ジビエとは野生動物のお肉です。

野生動物は野山を駆けまわって、色んなものを食べています。

そんないろんなところに行ったり

いろんなものを食べたりしている動物は

人体に悪影響を及ぼすようなものに触れたり

食べたりしていないか疑いたくなりますよね。

実際、ジビエに寄生虫ウイルス病原体がいることは

よくある話です。

詳しくは下の記事を参照してください。

しかし適切な処理を施せば

安心して食べることができます。

上記の記事では適切な熱処理の時間も書いているので参考にしてみてください。

日本では、ジビエが流行しつつあった2014年に

厚生労働省によって

「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」

が設けられました。

ここには

野生鳥獣肉の利活用にあたって

①捕獲

②運搬

③食肉処理

④加工、調理、販売

⑤消費

の各段階における適切な衛生管理の考え方が示されています。

各段階の具体的な例を挙げていくと

①捕獲について

・狩猟しようとする動物の外見動きがおかしくないか観察する
・銃を使う場合は、ライフル弾かスラッグ弾を使い、腹部に着弾しないようにする
・わなを使う場合は、可能な限り生きたままで食肉処理施設に運ぶ
屋外での内臓摘出は、衛生処理上でやむを得ない場合のみ行う
※ライフル弾、スラッグ弾:どちらも破片が飛び散らない弾

②運搬について

・必要に応じて冷却しながら、速やかに運ぶ
1頭ずつシートに覆うなどして、他の動物と触れ合わないようにする
・運搬に使う車両や荷台は、あらかじめ消毒しておく

③食肉処理について

・食肉処理施設に「83℃以上の温湯給湯設備」「充分な高さの懸吊施設」の設置を条例で定めることが望ましい
1頭ごとに、内臓摘出などの作業終了時に機械や器具を洗浄する
・解体前後に異常が見られた場合は廃棄する。
・内蔵は、異常が認められなくても廃棄することが望ましい

④加工、調理、販売について

・異常が見られた場合は廃棄し、食肉処理業者に連絡
・食肉処理の許可を得た施設から仕入れ、十分な加熱処理をしてから提供し、生食用としては提供しない
・処理に使用した器具は、83℃以上で消毒を行ってから保管する
・肉は10℃以下で保管

⑤消費について

・中心部の温度が75℃以上で1分間、またはこれと同等以上の効果がある処理を行ってから食べる
・まな板や包丁などの器具は使用後、洗浄と消毒を行い、衛生的に保管

以上のように

これだけきちんと方針が決まっているのであれば

お店で食べる分ついては、安心していただくことができますね。

ただ、目には見えないけど人体に悪影響を及ぼす放射性物質はどうなのか?

ジビエ料理に放射性物質が含まれている?

捕獲から消費までウイルスや寄生虫、病原体については

きちんとガイドラインが決まっていて

「安心してジビエを食べることができるぞ!」

ということが、お分かりいただけたと思います。

では、目には見えないもので

人体に大きな影響を与える放射能についてはどうでしょうか。

日本では2011年3月に起こった

東日本大震災の影響で

福島第一原発の原子炉が冷却できなくなり

放射性物質が漏れるという

原子力事故が起こりました。

そして、漏れ出した放射性物質が

近隣住民のみならず

周辺の生態系全般に大きな影響を与えました。

しかし、今回の原子力事故の影響だけでなく

この地球には多くの放射性物質があり

宇宙からは今も放射線が降り注いでいます。

このような放射性物質は動物や植物、人体に

どのような影響を与えるのでしょうか?

ジビエに影響する放射性物質とは?

では、放射性物質とは

いったいどのようなものなのでしょう。

放射性物質とは

・カリウム

・セシウム

・ヨウ素

など、放射線を出す力(放射能)を持った物質のことです。

実はこれらは

普通に土の中に含まれています。

そして、放射線とは

アルファ線やガンマ線、エックス線・・・

などと呼ばれているものを指します。

特に馴染み深い放射線で言えばエックス線ですね。

レントゲンに使われているので聞いたことがあるかもしれません。

そして、この放射線が動物や人体に様々な影響を与えます。

放射線を受けることを「被ばく」といいます。

被ばくすると動物の生命の設計図であるDNAが傷つくことがあります。

そして傷ついたDNAをもとに

いつもと違った細胞を作ってしまうと

そこから「がん」が発生することがあります。

被ばくをして一番怖いのは発がんすることなのです。

野生動物の場合、自然界にある放射性物質を

知らずに食べ物とともに、体内に入れてしまうお恐れがあります。

そして、そんな野生動物の肉を

われわれが食べてしまうと

放射性物質を体内に入れてしまい

体の中から放射線を受けることになります。

これを「内部被ばく」といいます。

もちろん

いろんな形で体外に排出されますが

それでも

少なからず影響があることは確かです。

実は日常的に放射線にさらされている?

私たちはふだんいろいろなところから放射線を受けており

年間で平均2.1ミリシーベルトになります。

その内訳は以下。

どこから 線量(単位:ミリシーベルト)
大気中のラドンなど 0.48
宇宙 0.3
食べ物 0.99
0.33

放射線を受けたジビエの安全性は?食べても問題ない?

ジビエだけでなく

放射線を受けた植物や動物を

そもそも人間が食べても大丈夫なのでしょうか?

日本では

福島第一原発の事故以来

食品中の放射性物質の新たな基準値を設けました。

この基準は

年間の被ばく量を1ミリシーベルトとし

それを年齢や一般的な代謝量を考えて

一般食品に割り当て

それをセシウムの量に換算したものです。

おおまかには以下のような数値です。

放射性セシウム基準値(単位:ベクレル/kg)

食品群 基準値
一般食品 100
乳児用食品 50
牛乳 50
飲料水 10

単位について

シーベルト:放射線による人体への影響の大きさを表す値

ベクレル:放射性物質が放射線を出す能力の強さを表す値

この基準をもとに

放射性物質を多く含むものは

市場に出回らないようになっています。

しかし少量でも

すごく気になる人もいるかもしれませんね。

放射線によって壊れたDNAは

壊れたままではなく、すぐに修復されます。

DNAは1日に1万~100万もの数が

損傷と修復を繰り返しています。

また、体内に入った放射性物質も

1~3ヶ月ほどで

排出されて半分になります。

いずれにしても

すぐにがんになるわけではないので

ご安心を。

放射線を受けたジビエを食べたときの症状

放射線を受けたジビエを食べると

どのような症状が出るのでしょうか?

先ほど挙げたように

国の基準を満たしているジビエに関しては

食べ過ぎない限り

特に影響はありません。

しかし万が一、基準を満たさないものを口にした場合

体内から放射線を受けることになります。

ジビエから内部被ばくしたという例は

今のところ報告されていませんが

過去の内部被ばくの例から考えると

血のがんである白血病甲状腺(のどの近くにあって、様々なホルモンを出す器官)のがんが

起こりやすくなると考えられます。

ジビエ料理に含まれている病気と人体への影響

ジビエには

寄生虫やウイルス、放射性物質の他に

どんなものが含まれているのでしょうか。

上に挙げたもの以外では

細菌が挙げられます。

細菌は

内蔵部分に含まれていたり

外で解体した場合などに含まれているものが

肉に付着してしまったりすることがあります。

それを食べてしまうことで

病気になってしまうおそれがあります。

しかし

先ほど挙げたガイドラインにしたがって

処理されているのであれば

その点は問題ないといえます。

まとめ

いかがでしたか?

ジビエは

国が定めたガイドラインに沿って処理されていれば

安全だということがお分かりいただけたと思います。

ただし

あなたがご自分で狩猟をしたり

誰かからいただいたものを調理したりする場合は

細心の注意が必要です。

きちんと安全性を確かめ

おいしいジビエをいただきましょう。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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