Contents
北勝牛の特徴
北勝牛はさわやかな味わいの霜降り牛肉です。
しっかりサシが入っていながら口溶けがよく後口はさわやか。
これは脂肪の質によるものです。
少し難しくなりますが
脂肪は分解されると脂肪酸とモノグリセリドにわかれます。
そしてこの脂肪酸は大きくわけて2種類あり
それが飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸です。
この不飽和脂肪酸は常温では液体です。
脂の中で不飽和脂肪酸が多くなると融点(溶ける温度)が低くなり
口溶けがよくあと口がさわやかになります。
さらに日本調理学会の調査によると
牛肉の不飽和脂肪酸が多いほうが、うま味と風味が増す
ということがわかっています。
北勝牛の産地は何県?
北勝牛が育てられているのは
北海道等川郡幕別町(まくべつちょう)です。
札幌から車で約3時間、十勝平野の中心に位置する
人口26.627人(2020年1月末)の街。
年間平均最高気温25℃、最低気温-14℃。
ナウマンゾウの化石が発見されたことでも知られています。
北勝牛の定義
北勝牛を飼育しているのは有限会社日新牧場(以下日新牧場)単一農家によるブランド牛です。
つまり日新牧場で育てられた黒毛和種が北勝牛と名乗れるのです。
北勝牛には細かい決まりがないというユニークさがあります。
血統や雌雄、月齢、体重、(社)日本食肉格付協会(※)の格付は関係なく
一頭一頭の状態に合わせて出荷を決めます。
もちろん、牛を育てる環境や飼料についてはこだわり抜いています。
提供できる肉質に幅があることで
消費者のニーズに合わせることができるのです。
(※) (社)日本食肉格付協会·····全国の食肉卸売市場、食肉センター等において、全国統一の枝肉の取引規格に基づき、中立の立場で、取引される食肉について1頭毎に格付を行っている団体
北勝牛の読み方
ほくとぎゅうと読みます。
「北」は北海道の北。
「勝」には畜産の世界において勝つ
優れるの思いが込められています。
生産者の目指す北海道の優良な和牛作りへの思いが表されていますね。
北勝牛の歴史やルーツ
現在、北勝牛の販売を行う佐々木畜産株式会社(以下、佐々木畜産)は1948年の設立です。
当初黒毛和種の飼育も直接行っていましたが
1985年日新ファームを取得したことを機に、飼育を一本化します。
1996年には(有)日新牧場を設立。
以来、30年以上実践と研究を重ねる
生産者のもとで、北勝牛は育てられています。
黒毛和種とは和牛の一種で、古くは近畿、中国地方を主な産地とし
農耕や荷物を運ぶために飼われていました。
明治時代に外国種と交配し改良され
昭和19年に日本固有の肉用種に認定されました。
日本全国で飼育されており
現在日本で飼育れている和牛の90%以上が黒毛和種です。
北勝牛の食べ方
北勝牛はプロから多くの指名を受けています。
レストランなどの飲食店では
鉄板焼きローストビーフ、ステーキ
しゃぶしゃぶなどの料理で食べられています。
どれも肉の味がしっかりと感じられる料理ですね。
北勝牛の育て方はどうなっている?
日新牧場では
牛が本来もっている力強さ、活力を引き出す牛肉生産
を目指しています。
北勝牛が育つ十勝平野は冷涼な気候で
衛生管理がしやすい環境です。
おかげで余分な農薬や殺虫剤を使わずにすみます。
生まれた子牛が8~10ヶ月齢になるまで
子牛だけが育てられる育成牧場で育ちます。
十勝の育成牧場は十分な広さの放牧地を持っていますので
牛たちを放牧しながらのびのび過ごし、ゆうゆう育てられるのです。
その後、日新牧場に移り、清潔な牛舎で牛たちは大切に育てられます。
ここで与えられるのは
特別指定配合飼料「北勝ごはん」「北勝おやつ」にくわえ
栄養価が高く、牛が大好きな加熱大豆。
飼料のネーミングからも
生産者が牛たちに愛着を持っていることがうかがえますね。
そしてストレスがかからないようにゆっくりと
出荷のときまで過ごします。
北勝牛の偽物が出回っているって本当?
平成16年から
牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法(牛肉トレーサビリティ法)
が施行されました。
この法律では国産牛肉について
牛の出生からと畜場(食肉処理場)で処理され
牛肉に加工され小売店に並ぶ一連の履歴を
10桁の個体識別番号で管理し
取引データーを記録することが義務付けられました。
もちろん、北勝牛も法律を遵守して
飼育、流通、販売されますので
偽物が入るスキはありません。
さらに北海道帯広市にある
佐々木畜産の直営工場では
毎週土曜日に直販コーナーを開いています。
ここで買えば、実感を持って本物の北勝牛を手に入れられますよ。
北勝牛のおすすめの部位はどこ?
鉄板焼きにはサーロイン
ローストビーフにはモモ
ステーキにはヒレと
料理に合わせて部位を選べます。
北勝牛は1部を除きほぼ全量が
東京食肉市場に出荷され、店舗に卸されます。
プロの手からプロの手に渡り、私たちの前に届くのです。
プロにその時期やその料理に合った部位の話を聞きながら食べるのもいいですね。