あなたは牛肉がお好きですか?
日本で牛肉が食べられるようになったのは明治時代に入ってからなので、
年数にすると100年ちょっとなのですが、
それ以前から食べられていた豚、鳥と並んで
日々の食卓に登場する食材になりました。
これも牛肉が秘めたおいしさゆえですね。
近年はアメリカやオーストラリアからの輸入も多く、
産地にこだわらなければ比較的安価に購入できます。
とはいえ、せっかく日本に暮らしているのですから、
いつかは和牛も味わってみたいですよね。
一口に和牛と言ってもいくつか品種がありますが、
今回はその中から「黒毛和種」についてご紹介。
特徴や有名な黒毛和種など様々な面から説明します。
恐らく和牛の品種の中では、最もよく耳にするものだと思うので、
興味がある方はぜひお付き合いください。
それでは早速参りましょう!
Contents
黒毛和種とは?黒毛和牛との違い?
ズバリ、「和牛で一番メジャーな品種」です。
一般的には「黒毛和牛」と呼ばれますが、
実は「黒毛和種」というのが正式な呼び方です。
英名は「Japanese Black」と言われています。
日本で流通している肉用の和牛のうち、
実に90%がこの黒毛和種にあたります。
恐らく和牛と聞いて皆さんが思い浮かべるブランドの
ほぼすべてが黒毛和種です。
まさに日本を代表する品種ですね。
ココがポイント
消費者は黒毛和牛と呼ぶ
生産者は黒毛和種と呼ぶ
どちらも違いはありません。
呼び名が違うだけです。
黒毛和種の特徴とは?
名前からもちょっと想像できるかと思いますが、
体全体が黒い毛で覆われています。
ただよくよく見てみるとちょっと褐色がかっていたり、
足元や脚の内側は少し色が薄かったりするようです。
その肉質は、まさに極上。
柔らかくキメの細かい赤身と、
均一に入ったきれいな霜降りが特徴です。
このような黒毛和種の肉質は世界でも屈指のレベルと言われ、
わざわざ日本に肉牛の飼育を学びに来る海外の酪農家もいるようです。
ステーキ用の輸入牛をイメージしてただけると分かるかもしれませんが、
海外で牛肉というと、赤身と脂身がくっきり分かれていて、
和牛のように赤身と一体になっているような感じではありません。
すき焼きやしゃぶしゃぶなど日本独自の肉の食べ方が生まれたのも、
このような肉質の違いと関係があるかもしれません。
黒毛和種の審査基準とは?
黒毛和種をはじめとした和牛では、
その肉質を維持するため、審査基準を設けています。
黒毛和種の場合、「黒毛和種種牛審査標準」と呼ばれるものです。
肉用種としての特徴50点、種牛性50点満点で採点されるのですが、
体格、全体のバランス、品格など様々な項目が設けられています。
一例を挙げてみると、
「月齢に応じた良好な発育をし、体躯広く、深く、伸びよく、体積豊かなもの」
「輪郭鮮明で体緊り、骨緊りともによく、品位に富み、雌雄それぞれの性相を現わし、性質温順なもの」
といった感じで、たくさんの基準があり、これらの合計点で審査が行われています。
出典:黒毛和種種牛審査標準
そして、松阪牛や神戸牛というのはこれらの審査に加えて
独自の審査基準を設けてブランド和牛の名が与えられています。
その中でも神戸牛の審査基準は日本一厳しいと言われています。
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日本の和牛は全部で4種類
ここまで「黒毛和種」の特徴や審査基準についてお話ししましたが
ここではその他の和牛について紹介しておきます。
日本で飼育されている牛の種類は多いですが、
その中で「和牛」を名乗ることが許されているのは、
「黒毛和種」も含めてたった4品種のみです。
・黒毛和種
・褐毛和種
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・日本短角種
・無角和種
がそれにあたります。
和牛ではないですが、牛の有名な品種として
・アバディーンアンガス
・ヘルフォード
・ホルスタイン
が有名です。
有名ブランド和牛の多くは黒毛和種?
筆者も今回調べてみて率直に思ったのですが、
「和牛」が4種類しかいないと言いましたが
よくグルメ番組などで「○○牛使用のステーキ」とか出てきますよね
(近江牛とか、宮崎牛とか、島根和牛とか...)。
あれは和牛の種類には入らないのでしょうか?
実は、あれらは全て「黒毛和種の中の1ブランド」という位置づけで、
牛自体の品種としては同じものなのです。
例えが適切かは分かりませんが、車に例えてみると、
黒毛和種は、大きなカテゴライズの名前で
トヨタとかホンダといったメーカー名にあたります。
これに対し、近江牛とか宮崎牛といったものは「黒毛和牛」という
大きなカテゴライズの中の1ブランドのことで、
いわばトヨタのプリウス、ホンダのN-BOXといった感じで、
メーカーの中の1モデルの名称にあたります。
プリウスでもアクアでもハイエースでも、名前も特徴も違いますが、
トヨタ車という大きなカテゴライズは一緒ですよね。
「黒毛和種」のブランドについても、
そんなイメージを持っていていただければと思います。
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日本で有名な黒毛和種ランキング
それを踏まえたうえで、
ここからは、黒毛和種の中でも有名なブランドを
ランキングで紹介してみようと思います。
どれも一度は聞いたことがある名前かと思います。
いずれも負けず劣らぬ肉質ですので、
気になった品種にはチャレンジされてみてもいいかもしれません。
3位 但馬牛
但馬(たじま)とは、現在の兵庫県北部の呼び名です。
県有種雄牛のみを交配した牛を素牛としたものに限定され、
全国に幾多あるブランド牛のルーツであると言われています。
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2位 神戸牛
「兵庫県産和牛」のうち、未経産牛・去勢牛がこれに当たります。
筆者には細かくは分かりませんでしたが、
他にも肉質で厳格な定義づけがされており、
定義は日本一厳しいと言われます。
輸出量が多く、海外でも「KOBE BEEF」として有名です。
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1位 松阪牛
「神戸牛」「但馬牛」と並ぶ日本三大和牛の1つ。
松坂牛と書かれることもありますが、松阪牛が正式な表記です。
高級ブランド牛の代名詞ともいえるもので、
きめ細かい肉質と上質な脂が持ち味。
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正しく言える?「和牛」と「国産牛」の違い
さて、少し余談になりますが、「和牛」とよく似た表現の「国産牛」
という品種があります。
実は、字面はよく似ていますが定義は全く別物です。
これについてご紹介します。
「和牛」とは、これまで説明してきたように、
日本の在来種を交配して改良してきた4品種とそれらの交雑種
のことを指します。
これに対し「国産牛」とは、生まれてから出荷されるまでの間に
最も長い期間を日本で過ごし、日本国内で食肉用に加工された牛
のことです。
生まれた国や品種は関係ないので、海外原産の品種も多いです。
代表的なのはオランダが原産のホルスタインのオスなどでしょうか。
知識として知っておくと、肉を見る目も変わるかもしれませんね。
ココがポイント
和牛:在来種を交配してきた4品種とその交雑種のみ。
国産牛:生前最も長い期間を日本で過ごし、日本で食肉加工された牛。
生まれの場所や品種は問わない。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
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まとめ
いかがでしたか?
和牛の1品種である「黒毛和種」について、
特徴や基準など色々な側面から紹介してきました。
日常的に目にする代物ではないので、
意外と知らないことも多かったのではないでしょうか。
近年はネット通販の他にも、ふるさと納税の返礼品として
提供されることもあるので、興味が湧いた方は覗いてみてはいかがでしょう。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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