あなたは牛肉がお好きですか?
我々の食生活に欠かせない食材の1つですが、
やはりお値段が少々張るため、
あまり気軽には食べられないという方も
多いのではないでしょうか。
しかし、近年では海外からの輸入牛が安価に
販売されているため、
牛肉の敷居も少し低くなってきています。
和牛ももちろん良いですが、
輸入牛も我々の食卓を支える重要な要素の
1つになりました。
今回は、そんな海外を原産とする肉用牛の
品種である、「ヘレフォード種」についてご紹介。
特徴や歴史など、色々な面から説明します。
興味がある方はぜひお付き合いください。
ヘレフォード種とは?
ズバリ、「英国原産の肉用牛」です。
「アバディーンアンガス種」「ショートホーン種」とともに、
肉用牛における「世界三大品種」と呼ばれ、
その中でも最も多く飼育されているのが
「ヘレフォード種」です。
現在、原産である英国の他にも、
北米、南米各国、ロシアやオーストラリアなど
多くの地域で幅広く飼育されています。
ヘレフォード種の特徴
出典:北里大学
ここから、「ヘレフォード種」の特徴についてです。
外見的な特徴として、「ホワイト・フェイス」の
別名からも分かるように白い顔をしています。
一方で、体表の大部分は赤毛です。
白くなるのは、顔以外に、喉、体の下面、
脚の先端や尾の先端などです。
この白い顔は遺伝性が強く、
多品種と交配させた場合でも、ほとんどの場合、
白い顔を引き継いで生まれてくるようです。
ただ、雑種の場合、目の周りに斑点をもつ
「斑頭」と呼ばれる特性が現れることが多いです。
顔を見れば雑種かどうか、ある程度判断できる
ということですね。
性格はとても人懐こく、自ら進んで近づいては
来ませんが、人が近づいても逃げることは少ないです。
品種によっては警戒心が強く、近づくとすぐに逃げる
ものもいるので、性格のうえでも
飼育しやすい特徴を持っているといえます。
さらに寒さに強いのも特徴で、
-35~-40℃の凍てつくような寒さでも
放牧飼育できると言われています。
カナダ、ロシアなど寒冷地域でも飼育されているのは、
この特性によるところが大きいでしょう。
原産
先ほど説明したとおり、原産はイギリスです。
もう少し厳密にいえば、イギリス中部の
ヘレフォード州を原産とする品種です。
和牛の場合では、主に身体的特徴や交配された品種の名前から
名付けられているものが多いですが、
海外を原産とする品種では、
「原産の地域名がそのまま品種名」
になっていることも多いです。
ただ、「ヘレフォード種」はもともと角がある
品種なのですが、現在世界中で飼育されている
「ヘレフォード種」のほとんどは角を持ちません。
これは、多頭飼育に有利になるように、
1900年代のアメリカで固定化された特性です。
その意味では、現在の無角ヘレフォード種の原産は
アメリカであると考えることもできます。
ヘレフォード種の原産
無角種の原産はアメリカ。
体系・体格
体格は、「アバディーンアンガス種」と
ほぼ同程度ですが、若干大きいと言われることもあります。
オスの場合、体高約130 cm 、体重約840 kg 、
メスの場合、体高約120 cm、体重約600 kg 程です。
後ほど歴史を説明しますが、
肉用牛として品種改良が進められてきたこともあり、
無駄のない体つきであると言われています。
ヘレフォード種の肉質
日本で販売されている輸入牛肉は、
大半が「アバディーンアンガス種」で、
「ヘレフォード種」はほとんどないです。
というのも、肉質は筋繊維が粗く、
かなり大味であるため、より肉質に優れる
アバディーンアンガス種の方が需要が高いのです。
ヘレフォード種の歴史
「ヘレフォード種」はイギリスの
ヘレフォード州を原産としており、
18世紀にはほぼ現在のような白い顔の
外見になっていたようです。
そのときは主に農業用の役用牛として
飼育されていましたが、
その後肉用牛として、肉質や早熟性の
向上を目指して改良がおこなわれました。
また、当初は角を持つ牛だったのですが、
アメリカで突然変異を利用して角を無くすことに成功し、
現在我々が目にする外見になったようです。
まとめ
いかがでしたか?
海外を原産とする肉用牛である
「ヘレフォード種」について、
特徴、歴史などの面から紹介しました。
肉として目にすることは少ないですが、
寒冷な地域では特に重宝されている品種です。
とても温厚でかわいらしい牛なので、
近くの牧場などで飼育されていたら見学させてもらっても
面白いかもしれません。
ちなみに、「ヘレフォード種」と同じく
肉用牛の世界三大品種である
「アバディーンアンガス種」については、
別の記事で詳しく紹介していますので、
興味がある方はこの記事と合わせてご参照ください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。