ジビエ

ジビエ肉の種類は全部で15種類?動物ごとの特徴をまとめてみた

今ブームのジビエ肉。

ジビエ肉といっても

いろいろな種類があることをご存じですか?

今回は

ジビエ肉の対象となる15種類の動物ごとに

・生態

・肉の特徴

をまとめてみました。

これからジビエを試してみようとしている人は

参考にしてみてください。

この中から

あなた好みのジビエ肉が見つかるかもしれません。

それではさっそく見ていきましょう。

ジビエ肉の種類➀ イノシシ肉

トップバッターは、イノシシです。

イノシシは「ぼたん鍋」で有名ですね。

あなたはイノシシを食べたことがありますか?

日本ではもっともポピュラーなジビエではないでしょうか。

イノシシの生態

イノシシは広葉樹林や竹林に生息し、隣接する田んぼや畑に出没して

作物を荒らす場合があります。

イノシシが住宅地に出没する

といったニュースを目にすることもありますね。

イノシシは雑食性で何でも食べます。

木の実や柔らかい新芽、地中の芋や根っこ

それに昆虫やヘビなんかも食べます。

イノシシを狩るのは主に

わなで捕まえるか、猟銃で撃つかです。

猟銃で狩る場合

猟犬を使って追い詰めてから

狩ることもあるようです。

イノシシ肉の特徴

イノシシの肉は

「牡丹(ぼたん)」と呼ばれています。

その由来は

イノシシの肉を

花のように盛り付けるところからついた説や

花札のイノシシの図柄に牡丹が一緒に描かれている

ところからついた説など諸説あります。

味や食感は豚肉に似ていますが、豚肉より淡泊で

脂身がしつこくないのが特徴です。

ジビエ肉の種類➁ 鹿肉

鹿肉は別名「もみじ」と呼ばれています。

その由来は

花札の鹿の絵柄に、紅葉が描かれていることや

百人一首で鹿と紅葉が題材となった歌があることなど

諸説あります。

身近な鹿といえば

奈良公園にたくさんいますね。

あなたも遠足や修学旅行で

一度は訪れたことがあるのではないでしょうか?

鹿肉も猪肉と並んで

有名なジビエといえるでしょう。

鹿の生態

鹿は、広葉樹林やその付近の草原に生息し

主に葉っぱや樹皮などを食べています。

狩りの方法としては主に

わなにかけたり、猟銃で仕留めたりします。

鹿肉の特徴

鹿肉は牛肉に近くクセが少ないので色んな料理に合います。

鉄分を多く含んでおり

そのなかでも「ヘム鉄」という鉄分が健康にいいとされています。

ヘム鉄は吸収がよく貧血冷え性の予防にもなるので

それらに悩む女性にはうってつけのジビエですね。

ジビエ肉の種類③ 猿肉

「猿なんて、食べれるの?」

そんな声が聞こえてきそうですが

実は、日本では

昭和初期まで山間部の食文化として親しまれてきました。

かの美食家北大路魯山人

食べたことがあるんですよ。

北大路魯山人とは?

1883年生まれ

日本の芸術家で、書家や美食家など様々な顔を持つ

マンガ「美味しんぼ」の、海原雄山のモデルとなった人物

猿の生態

猿は山間部に生息しており、地上でも樹上でも活動します。

動物園の猿山を思い出してもらえば分かるように基本的に群れで生活しています。

近隣の村まで降りてくることもよくあります。

食物は主に果物。

他にも花や種子、昆虫なども食べます。

猿肉の特徴

猿肉は、滅多に出回らないため「幻の肉」と言われているほど希少です。

イノシシやシカに比べて体が小さいからかもしれませんね。

中国やアフリカ、東南アジアなどでは普通に食べられています。

脂身は甘みがあり、味や食感は、牛肉とさほど変わりません。

しかし火を入れると、とても固くなってしまいます。

北大路魯山人は

自著『魯山人味道』の中で

「兎の肉よりはうまい」

と言っています。

・・・ちょっと興味が湧きませんか?

ジビエ肉の種類④ 熊肉

熊といえば日本に生息しているのは

ヒグマかツキノワグマのどちらかです。

熊は昔から

狩猟の対象となっており

特に熊の胆のうである熊胆(ゆうたん)が消化器系の病に効果があり

漢方薬として用いられていました。

熊の生態

ヒグマは北海道に、ツキノワグマは本州に生息しています。

基本的には人里離れた山中に巣を作ります。

しかし食物が少ない地域や時期などは食材を求めて山から下りきます。

ニュースでもときおり

民家の側までクマが下りてきて

近隣住民を驚かせているということを耳にしますね。

熊の食べ物はハチミツ?

いえいえ、違います(笑)

テレビで見かける熊は川を上ってきたサケを獲っているイメージがありますが

もともとは雑食性です。

木の実や果物などの他にも魚や小動物なども食べますが

基本的には植物の方が好きなようです。

熊は猟銃を用いて狩りを行います。

熊に襲われたというニュースを聞くほど

命の危険も高い狩猟でもあります。

熊肉の特徴

熊肉は

冬眠に入る直前が一番おいしい

とされています。

なぜなら冬眠に備えて木の実や果物などの食料をたくさん食べ

脂肪分を蓄えるからです。

次においしいのが春に狩られる春熊です。

熊肉は低カロリーでコラーゲンが豊富

滋養強壮にも効果があるので女性にはオススメの食材です。

脂身は融点(溶ける温度)が低く、口溶けがいいので

脂身のついたものが好まれます。

赤身は筋張っているので

熟成させてから食べるのがいいでしょう。

脂身の少ないものは

味噌などでじっくり煮込むとgood!

ちなみに、ヒグマよりもツキノワグマの方が

おいしいとそうですよ。

中国では熊の掌(て)が高級食材として扱われています。

ジビエの種類⑤ キジ肉

キジ肉は日本では昔から親しまれてきたジビエです。

記録によると、少なくとも平安時代から食されていたようです。

キジの生態

キジは山や平地の林、農耕地や河川敷などの明るい場所に生息しています。

実は飛ぶのが苦手なので基本的には歩いてるんですよ。

食べ物は主に草の種や葉、根ときには、昆虫やクモなども食べます。

狩猟の仕方は

猟銃や網ですが

猟銃で仕留める場合は

かなり目が慣れていないと難しいようです。

キジ肉の特徴

キジ肉は鶏肉に比べて香りが強いですが

低脂肪、低カロリーで高タンパクと

ヘルシーな食材です。

弾力性があり噛むとうまみがありますが

非常に淡泊な味です。

脂身も少なく、パサつきやすいので熟成に向いています。

キジのことをフランス語で

「faisan(フザン)」といいます。

さらに

ジビエの熟成のことをフランス語で

「faisandage(フザンタージュ)」といいます。

キジ肉は

言葉になるほど熟成に適した肉なのです。

ジビエの種類⑥ カラス肉

カラスといえば、ゴミをあさっていたり

黒くて不吉の象徴であったりと

あまりいいイメージがありません。

しかし、フランスや韓国では

ジビエの素材としてカラスは有名です。

カラスの生態

日本でよく見られるのはハシボソカラスハシブトカラスです。

ハシボソカラスは

緑の多い山林や河川敷などに生息しますが

ハシブトカラスは

住宅地などでも巣を作ります。

ハシボソカラスは草食傾向で

ハシブトカラスは肉食傾向と

食べ物も対照的です。

狩り方は主に

猟銃や網などですが

狩猟免許のいらないスリングショット(いわゆるパチンコ)を

用いることもあるようです。

カラス肉の特徴

カラス肉としては

草食傾向のハシボソガラスを使う場合が多いようです。

やはり

肉食性より草食性の方が

肉がおいしいということでしょうか。

カラスの肉は

鶏肉に比べて弾力があり

クセも少なく食べやすいです。

なかでもムネ肉は

鉄分を多く含むため

色は黒っぽく、レバーを食べているような感覚です。

火入れをしすぎると硬くなるので

弱火でじっくりと焼くのがgood。

ジビエの特徴⑦ ハト肉

平和の象徴とされるハト。

公園などで見かけるハトはトバトという種で

狩猟対象のハトではありません。

ジビエとして用いられるのは

キジバトという種類のハトです。

ハトの生態

キジバトは

別名「ヤマバト」といい

かつては山間部などに生息していましたが

近年では平地や山地の明るい場所、都市部などに生息しています。

雑食性で昆虫やミミズ、トウモロコシなどの穀類を主に食べます。

ハト肉の特徴

味は淡泊であっさりしています。

オスの方が脂がのっており

メスの肉は軟らかくなっています。

パサつかないように

焼き加減に注意が必要です。

キジバトは

「サマージビエ」とも呼ばれ

他のジビエとは違って

夏が旬のジビエです。

ジビエの種類⑧ エゾシカ肉

続いては

鹿は鹿でもエゾジカです。

先ほどの鹿肉とは

どのような違いがあるのでしょうか?

エゾジカの生態

エゾジカは北海道に生息する鹿で鹿の中では最大級の種です。

草食性ですが、体が大きいので、食べる量も多く

1日約2~5kgの植物を食べるようです。

エゾジカは猟銃を使って仕留める場合が多いようです。

エゾジカ肉の特徴

エゾジカの肉は

先に挙げた鹿肉とは少し異なり

弾力があり、風味が強くなっています。

もしかしたら

好みが分かれるところかもしれませんね。

鹿肉独特の風味を味わいたい人にはオススメです。

ジビエの種類⑨ ウサギ肉

ペットとしても需要も高く、愛らしいフォルムのウサギですが

フランス料理では定番の一品です。

日本でも、古来より狩猟の対象で江戸時代に徳川将軍家では

正月の三が日に必ずウサギ汁を食べるという習慣があったようです。

ウサギの生態

日本では北海道と沖縄を除く

全国の森林や草原に生息しています。

草食性のため主に草や葉っぱ、樹皮や果物などを食べます。

ウサギ肉の特徴

ウサギの肉は脂身が少ないですが血の香りが強く

オスよりもメスの方が柔らかい赤身です。

フランスでは

まるまる1羽煮込むことも多いようです。

ウサギの血を赤ワインと混ぜて

ソースとして使うこともあります。

ちなみに

ウサギ肉は熟成させる必要がありますので

要注意です。

ジビエの種類⑩ 犬肉

犬肉は中国などに旅行したことのある人や

旅行番組などで意外と知られているかもしれませんね。

日本や欧米では

昔、食用とされていた時代もありますが

現在ではペットやパートナーとしての印象が強く

犬食は嫌われているようです。

犬の生態

犬は、人間にとって

もっとも身近なパートナーとなりうる動物です。

社会性があり人間の言葉や表情も

ある程度理解しているのではないでしょうか。

食用犬は野生というわけではなく

基本的には育てられているものが多いようです。

そういった意味では

ジビエではないのかもしれませんね。

犬肉の特徴

犬肉は引き締まっておりさっぱりしています。

食感はパサパサした鶏肉のようです。

中国や韓国などでは

食文化の一つとして根付いていますが

現代の日本ではなかなか受け入れられないようです。

ジビエの特徴⑪ ラム肉

ラムとは

生後1年未満の子羊の肉のことです。

対して

生後2年以上の羊の肉のことを

マトンといいます。

羊の肉といえば

ジンギスカンが有名ですね。

ジンギスカンは

マトンやラムの焼き肉のことです。

羊の生態

羊は群れをなして生活しており、主に草や木の芽を食べています。

羊といえば広い草原で集団で飼われていて羊飼いや犬(牧羊犬)に統制されている

イメージが強いかもしれませんね。

ジビエというより牛や豚などの家畜の方が近いかもしれません。

ラム肉の特徴

ラム肉で人気の部位は

なんといってもロース!

「ラムチョップ」の名前で有名です。

ラムはマトンに比べて

柔らかくクセが少ないので

人気があります。

アミノ酸やミネラル、ビタミンが豊富で

ヘルシーミートとして高い評価を受けています。

インドのマクドナルドには

「マハラジャマック」

というメニューがあり

牛を神聖な生き物と考えるヒンドゥー教徒のために

牛肉の代わりに、羊肉を使っているようです。

日本では

「サフォーク」という種が

もっともポピュラーな羊肉です。

ジビエの特徴⑫ 雷鳥肉

日本の雷鳥はニホンライチョウとして

国の特別天然記念物に指定されているので

捕獲が禁止されています。

対して北海道に生息するエゾライチョウ

ジビエとして利用されます。

日本で雷鳥の肉といえば

輸入品かエゾライチョウの肉かの

どちらかです。

雷鳥の生態

雷鳥といえば夏と冬で色が違い、冬には雪のように真っ白になります。

対してエゾライチョウは、冬になっても羽の色は変わりません。

標高200~800m辺りの森や林に生息し

木の実や葉っぱ、果物を食べています。

雷鳥肉の特徴

針葉樹のような香りのする、独特のクセを持ち

若干の苦みとコクがあります。

もしかすると好き嫌いが分かれるかもしれません。

独特のクセがあるため

口直しの意味で、付け合わせに

栗のペーストが添えられている料理が多いようです。

クリスマスのごちそうといえば

現在では七面鳥の丸焼きですが

昔はエゾライチョウの丸焼きが

クリスマスのごちそうだったんですよ。

ジビエの特徴⑬ ワニ

ワニなんて

動物園かテレビでしか見たことないですよね。

もちろん

ワニも食べることができます。

しかも

日本でも食べることができます!

ワニの生態

ワニは

熱帯から亜熱帯地方の淡水に住む

肉食性の動物です。

小型のものでも1.5mほどの大きさに

大型のものになると体重が1tもの大きさになります。

ワニ肉の特徴

ワニ肉は

低脂肪・低カロリーで

高タンパクなヘルシー食材です。

食感や味は鶏肉と魚の中間くらいです。

魚に多く含まれている

不飽和脂肪酸EPA(エイコサペンタエン酸)

DHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれています。

これらの不飽和脂肪酸はコレステロールの値を

下げてくれる働きがあるので

最近コレステロールが気になる方にはワニ肉はオススメです。

オーストラリアでは日常的な食材なので

スーパーマーケットで販売されています。

日本では静岡県で食用ワニが養殖されていたりワニ料理店があったりします。

機会があれば一度挑戦してみてはいかがでしょうか?

ジビエの特徴⑭ アナグマ

アナグマは

ジビエの本場フランスでは名の通った食材です。

ニホンに生息しているのは

ニホンアナグマという種類のアナグマです。

昔話「カチカチ山」に出てくるタヌキは

実はニホンアナグマではないかといわれています。

アナグマの生態

アナグマと聞いて熊の仲間だと思いがちですが

実はイタチの仲間なんです。

しかし、イタチのようにスリムではなく

どちらかというと

熊の子どものようなずんぐりとした体型です。

本州や四国、九州の里山に生息しており

食べ物はミミズやコガネムシの幼虫などを土の中から掘って獲ります。

アナグマは罠をかけて捕獲することが多いようです。

アナグマ肉の特徴

アナグマの肉は

脂身が多く煮込めば煮込むほど脂がどんどん溶け出してくるので

煮込み料理を作る場合はまめに脂を取り除く必要があります。

ただ、脂身はやさしい甘みがありジビエに慣れていない人でも

抵抗なく食べることができます。

赤身は少し固いので焼くよりも煮る方が

アナグマの美味しさを堪能できるでしょう。

ジビエの特徴⑮ カンガルー

オーストラリアといえば、カンガルーと言われるほど

コアラと並んでオーストラリアを象徴する動物であるカンガルー。

オーストラリアでは

スーパーマーケットに並ぶほど

メジャーなジビエです。

日本での消費量は少ないですが

「ルーミート」のブランド名で

販売されています。

カンガルーの生態

カンガルー肉に使われる種は主に

アカカンガルーとオオカンガルーです。

共に、オーストラリア大陸とニュージーランド島

そしてタスマニア島に生息しています。

大きいものでは体長160cmにもなります。

体重も90kg近くのものもいるようです。

食性は草食ですが、なかには昆虫やキノコなどを食べる種もいます。

カンガルーといえばお腹の袋に子どもを入れて育児をします。

子カンガルーがお腹からひょこっと顔を出している姿は

なんとも愛らしいですね。

カンガルー肉の特徴

カンガルーの肉は

赤身の中でも非常に柔らかく

味にクセがありません。

低脂肪、高タンパク

さらには、共役リノール酸という

発ガン性糖尿病

肥満動脈硬化

抑制してくれる成分まで入っています。

まとめ

今回はたくさんの動物を紹介しましたが

あなた好みのジビエは見つかりましたか?

世界に目を向けると、日本じゃ考えられないような動物も

食べられていることに驚いたでしょう。

また、今回紹介した中には手に入りにくい

貴重なジビエも含まれています。

興味を持ったジビエが

どこのお店で提供されているかを調べて

実際に足を運んでみてください。

あなたのお口に合うかどうかは

試してみないと分かりませんね!

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

-ジビエ

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