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十勝ポロシリ黒牛の特徴
とかちポロシリ黒牛の特徴は黒毛和種由来の深くまろやかな味とホルスタイン由来の締りがよくキメ細やかな肉質です。
脂のうま味を楽しめる和牛の味わいに近づけながらも赤身肉のおいしさを楽しめます。
黒毛和種とホルスタイン種の交雑種には独特のミルキーさがあるのですが
とかちポロシリ黒牛はそのミルキーさを抑えた後味が優しい牛肉です。
十勝ポロシリ黒牛の産地は何県?
とかちポロシリ黒牛が育てられているのは北海道帯広市です。
札幌から車で約3時間、北海道のほぼ中央に位置する、人口165.851人(2020年2月末現在)の街です。
年間平均最高気温25℃、最低気温-15℃。
農業と酪農が盛んな土地ですがマルセイバターサンドで有名な六花亭の本社もあります。
十勝ポロシリ黒牛の定義
とかちポロシリ黒牛は有限会社ダイマルファーム(以下、ダイマルファーム)単独農家のブランド牛です。
つまり
ダイマルファームで育てられた黒毛和種とホルスタイン種の交雑種がとかちポロシリ黒牛となります。
十勝ポロシリ黒牛の読み方
とかちぽろしりくろうしとよみます。
ポロシリとは北海道の先住民族アイヌの人たちの言葉で
「大きい・山」という意味で帯広市街地の西側にそびえる十勝幌尻岳(とかちぽろしりだけ)を意味します。
アイヌの神であるカムイが遊んだ山であるとされる土地の人たちにとって大事な山です。
土地を愛する生産者の思いが込められたネーミングですね。
十勝ポロシリ黒牛の歴史やルーツ
1980年、ダイマルファームが設立されます。
新牧場開設、用地の取得を繰り返し規模を拡大。
2011年にはとかちポロシリ黒牛の商標登録を取得します。
その後リサイクルセンターや自然落下式貯水・給水タンクを設置するなど独自の飼育運営システムを完成。
コストパフォーマンスに優れた効率経営を実現させています。
この独自の飼育システムについては「とかちポロシリ黒牛の育て方はどうなっている? 」で解説しますね。
とかちポロシリ黒牛になる子牛は黒毛和種の中でも但馬牛の血をひく系統(※)を3代祖(父、母の父、母の母の父)いずれかに交配されたものが選ばれます。
(※) 黒毛和種の中でも但馬牛の血をひく系統····· 黒毛和種の中でも3大血統というものがある。1つは但馬牛のルーツで兵庫の田尻の系統。体格は小さいが、肉質がよいといわれている。、もう1つは鳥取の気高(けだか)の系統。発育がよく子育てがうまい。最後は岡山の藤良の系統。これも発育がよく肉量が取れる。
日本で肉用牛の交配が始められたのは1887年。
外国種の牛が輸入されたことをきっかけに在来和種との交配が行われました。
当時は経験も情報もないなか手探りで交配が行われ肉質の悪い牛が多く生まれました。
それを受け1912年に「地方の実情に合わせて各県で独自に目標をたて、改良することを奨励する」と国からの通知がでます。
1975年ごろ牛肉は唯一需要の伸びが期待できる畜産物とされていました。
そこで肉用牛を飼育する農家は飼育期間が長い和牛だけではなくコストカットに繋がると比較的飼育期間が短くてすむ交雑種の育成を始めます。
さらに生乳生産を主とする酪農家にも変化が起こりました。
乳牛は妊娠、出産しないとミルクを出せません。
つまり雌牛は母牛になって初めて乳牛とされるのです。
そこで同じ乳用種と交配させるのではなく黒毛和種と交配し交雑種の子牛を市場に出し副収入とするようになりました。
この時代から肉牛の交雑種が市場に多く出回るようになったのです。
十勝ポロシリ黒牛の食べ方
ダイマルファームのホームページで「焼肉の美味しい召し上がり方」が紹介されています。
そのホームページによりますと裏返しは1回だけ。
裏返しから約10秒がレア
約20秒でミディアム
約30秒だとウェルダン
に焼きあがり、レアがオススメとのこと。
レアにすることでやわらかさを残し肉汁を逃がさず本来のうま味が楽しめます。
十勝ポロシリ黒牛の育て方はどうなっている?
とかちポロシリ黒牛には成長段階に応じて種類や配合を調整して飼料が与えられます。
子牛の段階ではたっぷりエサが食べられるようになるための丈夫な胃と大きな体を支えられる骨格づくりを目的とした飼料になります。
1歳を過ぎたころは体を大きくするため出荷前には肉のキメや締まりやうま味をよくするためにと調整するのです。
また、飲み水にもこだわりがあります。
ダイマルファームの敷地内には麦飯石(ばくはんせき)が豊富にあります。
この麦飯石というのは多孔質で空気や水を浄化する性質があり中国明時代には薬石とされていました。
その麦飯石で浄化された日高山系伏流水を汲み上げ、敷地内の自然落下式貯水給水タンクを利用して牛舎内に水を送り込んでいます。
牛舎内からでるふん尿は牧場内のリサイクルセンターで完全発酵させて堆肥化。
牛たちの飼料栽培に使ったり近隣農家に販売したり100%リサイクルして活用しています。
十勝ポロシリ黒牛の安全・安心のための取り組みは?
牛たちに与える牧草は農場内で自家栽培し、ホルモン剤は一切使用しません。
牧草などの粗飼料にくわえ、体を大きくするために穀物を中心とした配合飼料も与えるのですが
その配合飼料も飼料安全法で認められた原料のみを使い毎月、飼料会社数社により品質検査を実施。
安全でよりよいものを与えられるように追及しています。
また、集団で管理する牛たちにとって感染症対策は必須です。
もし牛が病気にかかれば肉質が落ちる心配があります。
さらに回復の見込みがないということになれば、出荷はせずに殺処分することになります。
これはそれまで育てたコストがムダになるということだけでなく、牛を無下に死なせることでもあるのです。
そこで、ダイマルファームでの衛生管理体制は「持ち込まない、持ち出さない」を基本原則として、牧場内に入退場する全車両の消毒を実施。
さらに専属の獣医師が毎日、牛たちの健康管理をおこない病気の予防、早期発見に努めています。
病気やケガ等でやむを得ず治療する場合には、薬の使用は最小に留め、牛たちにストレスをかけさせません。
平成16年から牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法(牛肉トレーサビリティ法)が施行されました。
とかちポロシリ黒牛もこの法律に準じ、出産、出生、肥育、と畜、流通、販売にいたるまでの情報がデータベースに記録され、牛1頭ごとにつけられている10桁の個体識別番号で管理されています。
ダイマルファームのホームページには独立行政法人家畜改良センターのリンクが貼ってあり、いつでも履歴情報を確認することができます。
十勝ポロシリ黒牛のおすすめの部位はどこ?
とかちポロシリ黒牛は部位によって違う味わいを持っています。
焼肉で食べるとしても
甘みと香りのよいカタロース
やわらかな赤身のランプ
赤身と脂が交互の層になったナカバラ
好みに合わせて部位を選んでくださいね。
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