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人舞牛(ひとまい牛)の特徴
ひとまい牛の1番の特徴は餌に糖蜜(砂糖を作るときに残る蜜)を使うことです。
これにより肉の甘みが増しとても柔らかくなります。
ホルスタイン種であるひとまい牛は赤身のおいしさをしっかりと味わえます。
脂肪が少ないので後味がさっぱりとし毎日食べても飽きないおいしさです。
人舞牛(ひとまい牛)の産地は何県?
ひとまい牛が育てられているのは北海道上川郡清水町人舞(ひとまい)。
札幌から車で約3時間、十勝のほぼ中心にある人口932人(2020年3月末現在)の街です。
年間平均最高気温24℃、最低気温-14℃。
酪農王国で牛乳の生産量乳牛の飼育頭数ともに全国トップクラスです。
人舞牛(ひとまい牛)の定義
ひとまい牛は橋本畜産株式会社(以下、橋本畜産)による単一農家のオリジナルブランドです。
ですから、橋本畜産で育てられたホルスタイン種の肉用牛のことを人舞牛と呼ぶことができるでしょう。
人舞牛(ひとまい牛)の読み方
ひとまいぎゅうと読みます。
人舞とは北海道の原住民族であるアイヌの言葉のニトゥオプマ「寄せ木のある川」に由来すると言われています。
ひとまい牛は古くから人に親しまれてきた土地の名前を冠しているのです。
人舞牛(ひとまい牛)の歴史やルーツ
橋本畜産は現社長が三代目。
2007年に法人化しています。
飼育管理の研究を重ねひとまい牛は農林水産大臣賞を2回受賞。
全国枝肉共進会、十勝畜産農業協同組合からは毎年のように優秀賞、チャンピオン賞を受賞しています。
ホルスタイン種というとみなさんが牛と言われて1番に思い浮かべるであろう白と黒の模様をもつあの牛です。
雌牛は乳牛として飼育されますが雄牛は肉牛にもなるのです。
北海道で飼われているホルスタイン種の約半数が雄で、去勢されたのち肉牛として育てられます。
肉牛肉というと茶色の毛の牛を思い浮かべる人もいると思いますがホルスタインも珍しいものではないのです。
そのホルスタインですが正式にはホルスタイン・フリーシアンといいます。
約2000年以上前にドイツからオランダへの移民が伴った牛が基になっている最も歴史の古い品種とされています。
日本には明治18年ごろアメリカから導入されました。
当時のアメリカと同じ呼称のホルスタインという名が日本では一般的になりましたが、ヨーロッパではフリーシアンの呼び名の方が共通的だそうです。
人舞牛(ひとまい牛)の食べ方
十勝の名産品を一挙に集める十勝亭でもひとまい牛は人気の商品です。
十勝亭で特に人気なのはひとまい牛のローストビーフ。
ひとまい牛の特徴でもある赤身肉のおいしさ、柔らかさが存分に楽しめる食べ方ですね。
人舞牛(ひとまい牛)の育て方はどうなっている?
橋本畜産の社長は次のように話しています。
「私は肉を作っている訳ではありません。生き物を育てているのです。牛の命をいただいて『まずい』といわれたら、命を差し出した牛が浮かばれません。なのでどこまでも肉質にこだわった育てかたを追求していくつもりです。」
橋本畜産では週に30頭の子牛を迎えいれます。
ミルクは1日に4回。
このミルクは温めてやることで母牛から与えられるのに近い状態にします。
ひとまい牛の特徴でもあるエサの糖蜜ですが、じつはあるトラブルがもとになっているのです。
あるとき、タンクの水漏れ事故がおこりエサが濡れてしまいました。
その濡れたエサを牛たちに与えたところ喜んで食べたのです。
そこから研究を重ね、水ではなく糖蜜を餌にかける、という方法にたどり着きます。
こうすることで牛たちが喜ぶだけではなく柔らかく、甘みがある肉質になりました。
ただ、糖蜜は発酵が早くエサにかけそのままにしておくと短時間で傷んでしまいます。
朝にエサを用意しても昼ごろにはもう傷んでしまうのです。
ムダを出さないよう調整してエサを与えてはいますが、天気や牛の気分によってエサを食べる日と食べない日があります。
その都度、エサ場を掃除して餌を取り替えることもしばしば。
大変な作業手はありますが橋本畜産は最高の肉質を求めるため手間を惜しまず世話をするのです。
牛の体を大きくするのに欠かせない穀物。
その中でもデントコーン(飼料用トウモロコシ)は自家栽培しています。
さらに10種以上の穀物を独自に配合し牛たちに与えます。
人舞牛(ひとまい牛)の偽物が出回っているって本当?
2004年から牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法(牛肉トレーサビリティ法)が施行されました。
以降、国産牛や和牛の偽物騒ぎというのはほとんどなくなった、といってもいいでしょう。
さらに橋本畜産は観光農場ではありませんが取引のある業者や飲食店の見学は受け入れています。
実際の生産現場を知ってもらい言葉を交わすことで消費者との信頼関係を築く努力を続けているのです。
人舞牛(ひとまい牛)のおすすめの部位はどこ?
橋本畜産のホームページでは精肉を買うことができます。
ステーキ用にヒレとロース。
スライス肉はバラと肩ロース。
どんな料理に使ってもひとまい牛はしっかりとした赤身肉のうま味をもっているので
料理に負けずに味わいが際立ちます。