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ブラウンスイス牛の特徴
コスモスファームのブラウンスイス牛はサシのしっかり入った黒毛和牛とは違い赤身肉。
脂肪の少ない赤身肉はともすれば固くなりがちですが、コスモスファームのブラウンスイス牛は柔らかく、子どもからお年寄りまで多くの人に好まれる牛肉です。
また、帯広畜産大学の調べによると、牛肉の旨み成分であるオレイン酸は黒毛和牛と同レベルに含まれているとのこと。
牛肉独特のにおいが極端に少なく、さっぱりとした後口は「のどの奥で味がする」とも言う人もいます。
ブラウンスイス牛の産地は何県?
コスモスファームのブラウンスイス牛が育てられているのは北海道上川郡清水町です。
札幌から車で約3時間、十勝のほぼ中心にある、人口9320人(2020年3月末現在)の街です。
年間平均最高気温24℃、最低気温-14℃。
酪農王国でもあり牛乳の生産量乳牛の飼育頭数ともに全国トップクラスで、チーズの生産も盛んです。
ブラウンスイス牛の定義
コスモスファームのブラウンスイス牛は単一農家によるブランド牛です。
多くの肉牛牧場は市場で子牛を買ったり、ある程度育った牛を牧場へ連れてきて育てます。
しかしコスモスファームでは子牛を増やし、育て、販売までを一貫管理。
素性がはっきりとした牛なのです。
ブラウンスイス牛の名前の由来は?
コスモスファームの社名はハンガリーの作曲家、バルトークが作った曲「ミクロコスモス(小宇宙)」に由来します。
宇宙や自然の恵みである牛や、牛の胃の中に小宇宙を形作る微生物たちを尊重し、牛の目線に立った畜産をしていく、という思いを込めています。
ブラウンスイス牛のルーツについては次の「コスモスファームのブラウンスイス牛の歴史やルーツ」でお伝えしますね。
ブラウンスイス牛の歴史やルーツ
農協職員だった先代は、自分の牧場を持ちたい、という夢を実現させ、1987年に牧場設立。
ホルスタイン牛専業の肉牛牧場としてスタートしました。
2011年転機が訪れます。
子牛市場の手違いでブラウンスイス牛が牧場にやってきたのです。
そのブラウンスイスの子牛を受け入れた後、研究を重ね、ブラウンスイス牛を飼う酪農家たちとも交流を持つようになりました。
そこで分かったのは、ブラウンスイス牛のオスには経済的な価値がないため、そのほとんどが市場に出されることなく、生後殺処分されるということ。
そのことに酪農家たちは心を痛めているという事実。
農林水産省の乳用牛全国農業地域都道府県別飼養戸数・頭数によると2019年2月時点で全国で乳用牛はおよそ1332,000頭。
その内ブラウンスイス牛はわずか4,000頭程度という希少種。
安定供給が難しいことから一般的な肉牛の流通にはのりづらく、牛肉としての認知が全くない状態。
大手メーカーからは好まれず、地元JAからも「買い取らない」とキッパリと言われました。
当初コスモスファームでは地元の飲食店に輸入牛並の安い値段で直接販売。
しばらくの間は、よく分からないけど安い牛肉、という扱いでした。
これではいけないと2015年からブランディングに着手。
ここでしか食べられないブラウンスイス牛、として牧場産直をアピールしました。
同時にとかち財団、帯広畜産大学の協力のもと肉質を、徹底研究。
その結果、うま味成分は黒毛和牛なみ、肉質は黒毛和牛よりも硬い、ということが分かりました。
この結果を受けて加工品の開発に着手。
肉の硬さは関係ない、無添加、災害対策のため常温保存ができる、全ての部位を余すことなく活用できる、これらの条件を満たすコンビーフが誕生します。
このコンビーフは口コミを中心に販路が拡大。
2016年には農林水産省主催のフードアクションニッポンアワード2016のトップ10入賞。
2017年には料理の王国100選に入賞。
精肉と並んで主力商品に成長しました。
現社長はこう語ります。
「今後、日本では地場産チーズの生産が拡大する中、ブラウンスイス牛が増えることが予想され、オスが産まれると殺処分の状況が続くと思います。コスモスファームでは日本全国で産まれるブラウンスイス牛のオス子牛を受け入れ、大切な牛の命と向き合いながら、みなさまに喜ばれる形で世の中に命を還元しつづけます。」
ブラウンスイス牛の原産地はスイスでありかつてはスイスブラウンと呼ばれました。
名前の通り褐色の体毛で、ものの運搬や農耕などの作業と食肉用として飼われていました。
19世紀ごろからミルクが、多く取れるように改良が始まり、乳肉兼用への転換が進展。
1869年スイスからアメリカへ輸出されます。
その後日本にもアメリカ経由で入ってきました。
乳量はホルスタイン牛に比べると少ないものの、タンパク質の量、質ともに優れ、チーズ生産の原乳に適しています。
ブラウンスイス牛の食べ方
コスモスファームでは精肉以外に加工品も販売しています。
特に人気なのがブラウンスイス牛のコンビーフです。
100%コスモスファームで育ったブラウンスイス牛を使用。
発色剤、着色料を一切使わない安全・安心なコンビーフです。
原材料は牛肉、牛脂、食塩のみで、シンプルに牛肉本来の味を感じることができます。
また、コスモスファームのホームページではアレンジレシピも公開。
カプレーゼやみぞれ煮など生産者オススメの簡単レシピはチャレンジしやすいですね。
ブラウンスイス牛の育て方はどうなっている?
ブラウンスイス牛の育て方で特徴的なのは微生物を活用している点です。
エサは牧草、ビール糟や自家産のデントコーン(飼料用トウモロコシ)を配合。
ここに微生物をくわえます。
こうすることで体内細菌のバランスを良い状態に保ち、おなかの具合いが良くなるのです。
牛には胃が4つもあり、消化器官が健康かどうかというのはとても重要。
食べたものをちゃんと消化できてこそ吸収されるのであって、未消化の状態では栄養はうまく吸収されず、消化器官の働きも悪くなります。
さらにフンに微生物が混ざることで牧場独特の臭いも少なくなり、一石二鳥です。
もう1つの特徴はコスモスファームでは代表を筆頭に従業員の約半数が女性 ということ。
これは一般的に肉牛牧場は男社会といわれる中、珍しいことです。
特に子牛を育てるセクションは女性中心。
細やかな気配りで牛のわずかな異変に気づき、持ち前の母性で体調の悪い子牛に辛抱強く寄り添い、丈夫に育て上げています。
ブラウンスイス牛の安全・安心の取り組み
コスモスファームのポリシーは人にも、牛にも、あったかく。
2014年、肉牛農場としては十勝地方で初めて、農場HACCP(ハサップ)の認証を受けました。
農場HACCPは農林水産省が公表した農場における飼養衛生管理基準(農場HACCP認証基準)をもとに認証されます。
これは生産される畜産物の安全性の確保及び、生産性の向上を図るために作られた制度です。
具体的には病害や事故の原因となる微生物や化学物質、異物など危害要因を事前に把握し、継続的に管理します。
コスモスファームでは
・迎え入れた子牛の生産地やエサの原材料成分などの情報や治療歴などの記録
・全ての作業工程について作業分析マニュアルを作成
・牛やヒトに危害を及ぼす要因を分析
適正な飼養衛生管理をすることを実践しています。
ブラウンスイス牛のおすすめの部位
希少なブラウンスイス牛の精肉は数量限定で販売されています。
ステーキ用にはロースの中でも特にステーキ向きのサーロインときめ細かく柔らかな肉質のリブロースの2種類。
焼肉やすき焼き、しゃぶしゃぶ用のスライムには脂身が少なくさっぱりとした味わいの赤身肉、肩ロース。
好みや料理に合わせて選んでくださいね。