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北里八雲牛の特徴とは?定義や歴史を理解しよう

北里八雲牛の特徴

北里八雲牛は日本では希少なグラスフェッドビーフです。

しっかりとした食感噛みしめるたびにあふれる肉汁牧草を思わせるようなイヤミのない独特の香り

口の中でとけるような黒毛和牛を頂点とする従来の格付けでは評価することができない力強い牛肉です。

くわえて共役リノール酸が多いという特徴があります。

共役リノール酸とは人の体の脂肪をエネルギーに変える酵素を活性化させる働きを持つ物質。

北里八雲牛は肉好きだけでなく、健康意識の高い消費者からも注目される牛肉なのです。

実際にグラスフェッドビーフを購入して食べてみた感想はこちらの記事をご覧ください。

斎藤ファームの肉を購入してみたレビューと焼き方(SaitoFarm)

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北里八雲牛の産地は何県?

北里八雲牛が育てられているのは北海道二海郡八雲町(ふたみぐんやくもちょう)です。

北海道の南東部、札幌から車で約3時間45分。

人口16,111人(2020年4月末現在)のまちです。

年間平均最高気温24.6℃、最低気温-7℃。

日本で唯一太平洋と日本海の2つの海を持つ町として、市町村合併の際に新たな郡名がつけられました。

北里八雲牛の定義

北里八雲牛は八雲生まれ、八雲育ちの日本短角種です。

輸入穀物はいっさい与えられず自家産の牧草を食べ、放牧主体で育てられます。

北海道八雲町にしかいない肉牛です。

北里八雲牛の読み方

きたざとやくもぎゅうと読みます。

北里八雲牛の北里とは、北里大学の前身、北里学園が牛の飼育を開始したのに由来します。

現在、八雲町と呼ばれている土地は北海道の原住民族アイヌの言葉でユウラッペツ「温泉が下る川」と呼ばれていました。

しかし1881年旧尾張藩主の徳川慶勝が新たな地名をつけたのです。

豊かで平和な理想郷建設を願い古事記の「八雲立つ出雲八重垣妻ごみに八重垣作るその八重垣を」をひいて八雲としました。

北里八雲牛は生産者と生産地の名前を冠しているのです。

北里八雲牛の歴史やルーツ

1976年に学生の畜産学、獣医学の実践の場として北里学園(現北里大学)付属牧場が開設しました。

1991年アメリカ産牛肉の輸入自由化。

国内の多くの肉牛農家にならい、北里大学でも黒毛和牛の生産をスタートします。

しかし黒毛和牛飼育のデメリットが次第に浮き彫りになりました。

購入飼料が増えるにつれて牧場内の草資源の利用量が減少。

堆肥があまり、環境汚染対策が必要になったのです。

本来、飼料を生産された土地にこれを食べた家畜の排せつ物を還元することで物質の循環が成立します。

しかし購入飼料のほとんどは輸入穀物で、還元することが不可能

そこで資源循環型畜産を実践するため、1994年から日本短角種をメインに放牧主体の肉用牛の生産を開始しました。

この取り組みが認められ2010年にはフード・アクション・ニッポンアワード(※)研究開発新技術部門最優秀賞受賞。

2016年第6回北海道肉専用種枝肉共励会では会長賞を受賞。

多くの人に認められるブランド牛に成長しました。

(※)ブランド・アクション・ニッポンアワード・・・農林水産省が主催で食料自給率向上に寄与する事業者や団体の優れた取り組みを表彰している

短角牛こと日本短角種は南部牛とショートホーン種などの交配で生まれ、1957年に命名されました。

短角牛とはいいますが、角が短いわけではありません。

ルーツの1種ショートホーン種(shorthorn=短い角)の名前を汲んでいるのです。

日本短角種について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

日本短角種とは?どんな特徴の牛?

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牧草やワラなどの粗飼料でもよく育ち体も大きくなります。

寒さに強く丈夫な体で季節によって体毛の色が変わります。

おっぱいの出がよく子育て上手でもあります。

普段は穏やかな性格ですが子どものこととなると攻撃的になる面も。

これらのことから夏山冬里方式(夏は放牧で野山ですごし、冬は牛舎ですごす)による放牧という飼育方法と相性がよいのです。

一般的な肉牛は人工授精か受精卵移植が多いのに対し、放牧中の自然交配により子牛の生産が行われることが多くあります。

南部牛とは旧南部藩(現在の岩手県中部から北部、青森県東部、秋田県北東部)で古くから田畑を耕したり、鉱石運搬したりするなどの人の作業のために使われる使役牛(しえきぎゅう)として飼われていました。

四肢が短く、体が丈夫なことが特徴です。

ショートホーン種はイギリス原産の牛です。

肉付きはよいのですがやや小型。

ミルクがよく出るように早く体が大きくなるようにと品種改良を重ねられてきました。

北里八雲牛の食べ方

毎年おこなわれる、やくも牧場まつりでは北里八雲牛が振る舞われます。

ステーキ焼肉などダイレクトに肉の味が感じられる料理で非常に好評です。

さらに北里八雲牛は八雲町のふるさと納税返礼品にも採用されています。

すき焼きしゃぶしゃぶ用の精肉はもちろん、ハンバーグビーフシチューカレー牛丼などの調理済み食品も人気があります。

北里八雲牛の育て方はどうなっている?

雪もすっかりなくなった5月。

放牧地で母牛は子牛を出産します。

牛の出産というと、子牛を人が引っ張り出すシーンを思い浮かべる人もいると思いますが、あれは品種改良されて体が大きくなった牛だからです。

本来は牛の出産に人が入る余地はないのです。

そして雪が降り始める11月頃までおよそ6ヶ月、母子は放牧地で一緒に過ごします。

子牛は母牛のミルクをもらうことで抗体ももらい、免疫を作り病気予防につながるのです。

雪が降る季節は広い牛舎で放し飼いし、雪がなくなればまた放牧。

そして月齢35ヶ月ごろ出荷されます。

夏の間のエサは放牧地の牧草。

冬の間は牧草を乳酸発酵させたグラスサイレージを与えます。

牧草は化学肥料や農薬をいっさい使わずに栽培。

北里八雲牛は健康的な牛肉で、消費者にとっても安全・安心です。

牛に穀物を与える飼育法が一般的ななか、自家産牧草だけで育てる4つのメリットを生産者は感じています。

1つ目は牛が病気に強くなったこと。

2つ目は子牛の感染症の心配が少なくなったこと。

3つ目は飼料コストとエサの管理労力が減ったこと。草だけで牛は丸々と太るのです。

4つ目は排泄物処理スタッフの負担が軽くなったこと。排泄物の水分が減り労力がカットされ、臭気が減ったため労働環境が改善しました。

北里八雲牛で大切にしているアニマルウェルフェアって何?

アニマルウェルフェアとは動物が誕生から死を迎えるまでの間、ストレスをできる限り少く行動欲求が満たされた健康的な生活ができる飼育方法を目指す畜産のあり方です。

農林水産省も、生産性の向上や安全な畜産物の生産につながるとしてアニマルウェルフェアの考え方を踏まえた家畜の飼養管理の普及を推進。

アニマルウェルフェアの具体的な基準目標として「5つの自由」が国際的に認められています。

「5つの自由」はもともと1960年代イギリスで家畜動物が劣悪な飼養管理されていて、家畜動物の福祉を確保するべきだという考えの高まりが起こったことを背景に提案されました。

「5つの自由」とは

1飢えや渇きからの自由

健康維持のために適切な食事と水を与えること

2痛み、負傷、病気からの自由

怪我や病気から守り、病気のときは十分な獣医医療を施すこと

3恐怖や抑圧からの自由

過度なストレスとなる恐怖や抑圧をあたえず、それから守ること

4不快からの自由

温度、湿度、照度などそれぞれの動物にとって快適な環境を用意すること

5自然な行動をする自由

それぞれの動物種の生態習性に従った自然な行動が行えるようにすること

北里八雲牛のおすすめの部位はどこ?

北里八雲牛は部位ごとに違った味わいと特徴を持ち、料理に合わせて選ぶことができます。

ステーキにはヒレサーロイン

すき焼きにはリブロース肩ロース

煮込みにはスネ

あなたにぴったりの部位を選んでくださいね。

北里八雲牛を通販でお求めの方はこちらの記事をご覧ください。

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