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野付牛の特徴とは?定義や歴史を理解しよう

野付牛の特徴

野付牛の特徴は3つあります。

1つめは赤身の肉です。

サシ信仰が根強い現代に、野付牛は従来の格付けでは評価ができない、赤身の肉の味がしっかりとする牛肉です。

特徴の2つめは安心・安全な牛肉だということです。

BSE問題(※)以降、消費者の牛肉に対する信頼が大きくゆらぎました。

野付牛を生産する有限会社オダリサーチファーム(以下オダリサーチファーム)では赤ちゃんから高齢者まで、全ての人が安心して食べられる安全な牛肉を消費者に届けています。

3つめの特徴は求めやす価格

黒毛和牛は手間暇かけた芸術品とも呼べますが、やはり高価。

その点、野付牛は毎日の食卓で食べられる、普段使いの牛肉です。

(※1)BSE問題…2000年代初め、BSEと呼ばれる牛の感染症が発生。イギリスをはじめアメリカ、日本でも感染牛が見つかる。これを機に消費者が牛肉の購買や食べることに抵抗感を示すようになった。

野付牛の産地は何県?

野付牛か育てられているのは北海道北見市です。

札幌から車で約4時間。

北海道東部に位置し、北部はオホーツク海に面する、人口115,868人(2020年4月末)の街です。

年間平均最高気温24℃、最低気温-11℃。

昔から食肉加工場が近くにあり、新鮮な肉やホルモンが手に入ったことから焼肉の町としても知られ、市内のいたるところに焼肉屋があります。

野付牛の定義

野付牛はオダリサーチファーム、単一農家のブランド牛です。

オダリサーチファームでは

オダリサーチファームで飼育されたホルスタイン種のオスを野付牛とする

と定義付けしてます。

野付牛の読み方

のつけぎゅうと読みます。

現在、北見市がある場所に以前は明治政府によって7つの村が置かれていました。

常呂村(トコロムラ)、少牛村(チイウシムラ)、鐺沸村(トウフツムラ)、生顔常村(ムカエホツネムラ)、太茶苗村(フトチャンナヘムラ)、野付牛村(ノツケウシムラ)、手師学村(テシマナイムラ)

野付牛は北海道の先住民族アイヌの言葉でヌプンケシ「野の一端」が由来。

今では北見市になっていますが、通りや公園の名前として今でも野付牛の名前は残っていて、土地の人の愛着を感じます。

野付牛は古くから土地の人に愛されてきた名前を冠しているのです。

野付牛の歴史やルーツ

オダリサーチファームの代表小田一之さんは北海道の畜産業発展の初期から約20年間、畜産に関わってきました。

そこで生産者の都合を優先するあまり薬物を必要以上に使っていたり、安心できない肉を使っていたりする実情を目の当たりにするのです。

「自分自身で本当にお客様に対して自信をもって提供できる本当に良い牛肉を作りたい」という思いがわき、1991年野付牛飼育牧場をスタートさせました。

ホルスタイン種というとみなさんが牛と言われて1番に思い浮かべるであろう白と黒の模様をもつあの牛です。

雌牛は乳牛として飼育されますが、雄牛は肉牛にもなるのです。

北海道で飼われているホルスタイン種の約半数が雄で去勢されたのち肉牛として育てられます。

肉牛肉というと茶色の毛の牛を思い浮かべる人もいると思いますが、ホルスタインも珍しいものではないのです。

ホルスタイン種はより多くミルクを出せるよう、より多くの子どもが産めるように改良が重ねられてきました。

その結果非常に大きな体になったのです。

黒毛和種のオスが平均で約700kg、ホルスタイン種のオスは平均で約1100kg。

肉用牛としてみたときも体大きい分、肉も多くなり、コストダウンに繋がっています。

野付牛の食べ方

野付牛を採用している飲食店ではステーキはもちろん、ハンバーグビーフストロガノフが人気メニューです。

また社会貢献事業として地元中学校野球部の全国大会出場壮行会や地元大学祭で振舞ったつ煮込みも大好評でした。

野付牛の育て方はどうなっている?

オダリサーチファームには北海道内で生まれた生後6ヶ月の子牛がやってきます。

北海道のキレイな空気の中、牧場内の冷鉱泉(天然温泉)を使用。

自然の恩恵を存分に受けて育てます。

人に手によるものももちろんこだわります。

エサには大麦、小麦にくわえて地元産の無農薬ワラ、干し草を使用。

ホルモン剤や抗生物質は一切使いません

こうして大切に手をかけておよそ13ヶ月育て、生後19ヶ月ごろになると出荷します。

野付牛の安全・安心の取り組みは?

牧場にやって来る牛たちには耳に耳標(じひょう)が付けられています。

この耳標には1個体識別番号、2耳標番号、3自家耳標の3種類あって、少なくとも2種類の耳標が全ての牛に付けられてきます。

その中でも日本国内の全ての牛に付けられているのが1個体識別番号です。

この個体識別番号で性別、出生年月日、品種、出生地、飼育地などの一頭一頭を識別するための情報が管理されています。

この個体識別番号は販売店に並ぶパックにも表示されています。

この個体識別番号を使えばネットで手元にある牛肉のいわば履歴書を見ることができるのです。

もちろん野付牛にも個体識別番号の耳標かついています。

生産履歴が確認できるからこそ、安全・安心の牛肉を提供できるのです。

野付牛のおすすめの部位はどこ?

野付牛はオダリサーチファームで完全予約制で精肉も販売されています。

北見焼肉で定番のホルモンサガリにくわえ、きめ細かく柔らかなサーロイン、赤身と脂肪が層になり、濃厚な味わいのカルビも用意。

機会があったらぜひ、試してみてくださいね。

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